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アルツハイマー型認知症の予防法を知って不安を減らそう

認知症見守り

認知症にも種類がある?アルツハイマー型とは

高齢化とともに認知症という言葉を耳にすることが多くなりました。認知症患者の増加が社会問題となり、誰でも発症する可能性があるといわれていますが、近年、予防法もわかってきています。

とはいえ、実は、認知症は病名ではありません。認知症とは、認知や記憶、判断に関する能力が低下した状態をさします。こうした状態を引き起こす原因として、さまざまな病気があります。原因となる病気によって、認知症の種類が異なり、予防法も違ってきます。

認知症を引き起こす病気で、日本で最も多いとされているのがアルツハイマー病です。また、これによる認知症はアルツハイマー型認知症と呼ばれ、アミロイドβと呼ばれるタンパク質がその原因物質と考えられています。このアミロイドβが脳全体に蓄積することで、脳が萎縮し認知症を発症するのです。

アルツハイマー型認知症の症状は記憶障害に始まり、進行すると、場所や日時などがわからなくなる見当識障害や身体機能の低下も起こります。症状の進み方は患者ごとに異なり、数年で寝たきりになるケースも。

そう聞くと恐い病気に思えますが、現在では根本的な治療法はまだないものの、投薬により進行を遅らせることができ、長年にわたり自立して生活している人もいます。とはいえ、予防できるなら、それに越したことはありません。この機会に、アルツハイマー型認知症の予防法を知っておきましょう。

予防はどうすればいい?アルツハイマー型の危険因子とは

アルツハイマー型認知症を予防する上で重要になるのが、その危険因子を抑えることです。高血圧と糖尿病がアルツハイマー病の危険因子といわれていますが、この2つの疾患は生活習慣病の代表的なもの。つまり、アルツハイマー型認知症の予防は、生活習慣病を予防することでもあるのです。

生活習慣病にならないようにするには、食事や仕事、睡眠、運動、趣味・嗜好など、生活スタイルを全般にわたって見直し、問題があれば改善する必要があります。バランスのよい食事やじゅうぶんな睡眠、適度な運動など、健康的で規則正しい生活を心がけることが大切なのです。

次に、毎日の生活の中でできる予防策について、具体的にお知らせしましょう。

野菜と魚を食べて予防

生活習慣のなかでも、まず気になるのが食事です。ふだんから野菜や魚を多く食べている人はそうでない人よりも、アルツハイマー病になる確率が低いことがわかっています。次の内容を食生活の参考にしてください。

どんな野菜でもいいので、野菜をたくさん食べるようにしましょう。加えて、果物もよいとされています。野菜や果物に含まれるビタミンC、E、βカロテンは脳の老化を防ぎ、アミロイドβの生成を抑制します。

メインディッシュには肉よりも魚がおすすめです。サバやアジなどの青魚に含まれるDHA、イワシやマグロに多く含まれるEPAといった不飽和脂肪酸にはアミロイドβの生成を抑え、脳の血流をよくする働きがあります。特に、サバとイワシはDHAとEPAともに多く含んでいます。

また、コーヒーや緑茶の成分であるカフェインやマグネシウムが脳を活性化させるといわれています。目安として1日3杯のコーヒー、もしくは1日2杯の緑茶をとりましょう。さらに、赤ワインに含まれるポリフェノールにはアミロイドβの生成を抑さえる効果があり、週1回以上ワインを飲む人は、それ以下の人よりもアルツハイマー病になる確率が低いとされています。とはいえ、飲み過ぎはアルコール性認知症を招く恐れがあるので、ほどほどにしておきましょう。

適度な運動も効果的

アルツハイマー病の予防には、適度に体を動かすことも大切です。運動することによって、アミロイドβが分解されて溜まりにくくなります。特に、有酸素運動は全身の血液の循環を改善し、細胞を活性化させます。

したがって、日常的に運動する習慣のある人はない人よりも、アルツハイマー病になるリスクが低いのです。有酸素運動には水泳やジョギングなどがありますが、最も手軽に始められるのがウォーキング。1日30分程度、週5日を目安に、大きめの歩幅で早めに歩くことをおすすめします。

散歩気分でまわりの風景を楽しむ、友人といっしょに取り組む、小さな目標を決めて万歩計で記録するなどすれば、習慣づけしやすいと思います。

認知症予防は毎日を楽しむことが大事

こうした食事や運動に加えて、日々の生活習慣として取り入れたいことが2つあります。それは、頭を使うことと人とつきあうこと。

新聞などの活字を読む、将棋やボードゲームをする、楽器の演奏をする・習うなどの知的活動をよく行っている人はアルツハイマー病の発症リスクが低くなります。また、身近な人と会話を楽しむ、仲間といっしょに趣味や習い事をするなど、さまざまな目的で人間関係を持ったり、社会的なネットワークにつながることが、アルツハイマー型認知症の予防に最も効果があります。

そして、何より大切なのが、これらの習慣を楽しむことです。気の合う仲間といっしょに運動や知的活動ができれば楽しく続けられますし、予防効果も高まります。健康的な暮らしを楽しむことが、アルツハイマー型認知症の予防の基本です。楽しみながら、認知症発症の不安を減らしましょう。

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