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高齢者に限らずヒートショック対策を! 知っておきたい暖房温度と体温調節の関係

高齢者一人暮らし

誰もが注意するべき冬の健康リスク

ヒートショックとは、極端な温度差がある場所に移動したときに起こる健康トラブルです。高齢者は特にリスクが高いとされていますが、最近ではある有名人の突然死を受け、その危険性が全世代に及ぶことが再認識されています。急激な温度変化があると、体温調節がうまくいかず、血圧や心拍数が激しく変動し、体に大きな負担がかかります。高齢者だけでなく、誰もが注意が必要です。

ヒートショックは家の中でも特に浴室やトイレで起こりやすく、死亡につながることも少なくありません。寒暖差と体温調節の関係を理解し、家の中の温度管理を行うことが重要です。

ヒートショックはなぜ起こる? 体温調節と温度変化の関係とは

人間の体には自律神経を通じて体温を一定に保つ仕組みがあります。
ヒートショックは、体温調節機能と急激な温度変化が密接に関係して発生します。

そのメカニズムを説明します。寒い環境では血管が収縮し、体の熱が皮膚から逃げないようにします。同時に筋肉が震えて熱を生み出し、心拍数や血圧が上がります。暖かい環境では血管が拡張し、体内の熱が放出され、血圧や心拍数は落ち着きます。
急激な温度変化が起こると、体温調節が一時的に追いつかず、自律神経が過剰に反応します。これが血管や心臓に大きな負担をかけ、ヒートショックの原因となります。

寒い場所から暖かい場所への移動
寒い環境で収縮していた血管が暖かい環境に移ると急速に拡張し、血流量が急増します。そのため、心臓が通常以上に働く必要が生じ、血圧が急降下してめまいや失神が起こることがあります。

暖かい場所から寒い場所への移動
暖かい環境で拡張していた血管が急激な寒さにより急速に収縮することで、血圧が急上昇します。その結果、心臓に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。

冬季に注意すべき状況
入浴時:寒い脱衣所から温かい浴槽につかり、浴槽から出て再び寒い脱衣所に戻る
家の中の移動:暖かいリビングから暖房のない寝室、寒いトイレや廊下、玄関への移動

このようにヒートショックは急激な温度変化による血圧の急変と心臓への過剰な負担で起こります。この反応は、自律神経が体温を維持しようとする過程で引き起こされるため、年齢や健康状態に関係なく誰でもリスクがあります。温度差を減らす工夫が予防のポイントです。

*ヒートショックの症状などについてはこちらもお読みください。
ヒートショックの症状とは? 後期高齢者は心配? なりやすい人や予防方法など

*暖房の設定温度に関してはこちらもお読みください。
高齢者施設の暖房設定温度はどれくらい? 寒さ対策は?

自宅内のこんな場所にヒートショック対策をしよう

ヒートショック対策では、リビングルームなどの暖房温度とトイレや浴室との温度差を小さくする工夫が必要です。

まず、自宅の中でヒートショックが起こりやすい場所を確認しましょう。住宅そのものが全館空調や外断熱ではない場合、以下のような場所が冷えやすく、ヒートショック対策が必要です。

浴室、脱衣所、洗面所、トイレなどの水回り
廊下(特に外への出入口や窓のある廊下)
玄関、窓など外につながる部分(開口部)

次に、これらの場所に対策をしましょう。すぐにできる対策法を紹介します。
浴室:
入浴前に浴室内を暖める。浴槽のフタを開けておく、床にお湯をかけておく、シャワーを流しておくなど。
脱衣所、洗面所、トイレ、廊下:
小型の暖房器具を置いて暖める。安全面を考慮して人感センサースイッチ付きのものがおすすめです。また、風を起こさない輻射式暖房が好ましいですが、トイレなどで電源がなく暖房器具を設置できない場合、床に厚手のマットを敷く、綿入や毛足のある便座カバーをつけるだけでも寒さ対策になります。
:
窓ガラスに断熱フィルムを貼り、すき間があればすき間テープを使い、断熱カーテンを設置する。
玄関:
ドアに断熱フィルムを貼り、すき間があればすき間テープを使い、断熱カーテンを設置する。タイルやコンクリートの土間には土足用のマットを敷くのがおすすめ。スペースに余裕があれば、安全性の高い小型暖房器具を置くのも良いでしょう。

見守りシステムで離れて暮らす家族のヒートショック対策を

室温18℃を下回ると心臓病や脳卒中、肺炎などの健康リスクが高まります。また、ヒートショックは気温差が10℃以上で起こる可能性があります。
したがって、家の中は18℃以上に保つよう、温度計を設置して温度管理を行うことが大切です。

特に高齢者のいる家庭では適切に暖房温度を設定し管理することが重要ですが、離れて暮らしている場合にはセンサーによる見守りシステムを活用する方法があります。

温度や湿度、人の動きなどに反応する複合センサーを備えた「いまイルモ」は子機を増やすことが可能です。例えば、親機を居室に設置し、子機をトイレなどに設置すれば、見守る家族はスマホなどでいつでもどこからでも、本人が適切な温度環境で生活できているかを確認できます。

冬の健康トラブルには「温度」が大きく影響します。寒い時期を健康的に過ごすためには、家の中の温度管理が重要です。しっかりと寒さ対策をしていきましょう。


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