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高齢者におすすめの水分補給 熱中症対策と栄養補給について考える

高齢者一人暮らし

熱中症予防に欠かせない水分、何を飲めばいい?

水分補給は、誰にとっても毎日の健康づくりや熱中症予防に欠かせません。特に高齢者は、夏場にのどの渇きを感じにくく、気づかないうちに脱水症状を起こすことがあります。また、暑い日が続くと食欲が落ち、栄養不足になってしまうことも。低栄養はフレイルやサルコペニアなどの健康リスクを招くため、水分とともに栄養補給にも気を使いたいものです。
水分補給のための一般的な飲み物は水や麦茶ですが、最近では、熱中症対策向けに経口補水液やスポーツドリンクなど多様な飲料が市販されていますし、手軽に飲めるドリンクタイプの栄養補助食品も注目されています。こうした飲料は手軽で便利な一方、飲み過ぎや持病のある人の摂取にあたっては注意も必要です。

熱中症を予防しながら、高齢者が夏を乗り切るための水分や栄養のとり方について考えます。

高齢者にとって水分補給が特に重要な理由

高齢者は熱中症になりやすく、しかも重症化しやすいといわれますが、それには以下のような理由があげられます。高齢になると、暑さを感じにくく、体温を調節する機能も低下するため、周囲の気温変化に対応しづらくなります。その結果、体内に熱がこもりやすく、気づかないうちに熱中症を発症する危険性が高まるのです。

また、汗をかきにくくなることで、体の熱を外に逃がす力も弱まります。加えて、体内に蓄えられる水分量が減り、のどの渇きも感じにくくなるため、水分をじゅうぶんとらずに脱水状態になりやすくなります。

以上の理由から、熱中症予防の基本である水分補給を高齢者は特に意識する必要があります。のどが渇いていなくても定期的に水分をとるよう習慣づけましょう。

*高齢者の熱中症予防については、こちらの記事もご参照ください。
高齢者の熱中症は重症化しやすい!? 謎の発熱、うつ熱に気をつけて

高齢者の水分補給におすすめの飲み物は?

高齢になると、のどの渇きを感じにくくなるため、気づかないうちに脱水になってしまうことがあります。熱中症を防ぐためには、こまめな水分補給がとても大切です。
日常的には、なるべく糖分の少ない飲み物を選びましょう。日々の水分補給におすすめなのは、水や麦茶です。毎日安心して飲むことができ、カロリーや糖分をとり過ぎる心配がありません。

一方で、スポーツドリンクや経口補水液は便利な飲み物ですが、飲み方に注意が必要です。スポーツドリンクは糖分が多めなので、毎日の水分補給としてたくさん飲むと、糖分の摂り過ぎになってしまいます。経口補水液は、熱中症や脱水の症状が出てきたときの回復に役立ちますが、ふだんから常用すると塩分の摂り過ぎなど、かえって健康によくありません。
特に高血圧や心臓病などの持病がある人は、必要に応じ医師と相談のうえ、飲むようにしましょう。

1日の水分摂取量の目安ですが、高齢者の場合、食事以外で1,200ml以上を飲み物でとることが望ましいといわれています。これは、コップにすると6杯以上になります。1度にたくさん飲むのではなく、なるべく回数を多く分けて、こまめに飲むようにしましょう。汗をかいたときには水分だけでなく、体の調子を整えるミネラルも補うことが大切です。塩分(ナトリウム)だけでなく、カリウムやマグネシウムなどのミネラルを含む夏野菜や果物も一緒にとることで、バランスよく補給できます。

もし高齢者本人が水分をとるのを忘れがちな場合は、食事の前後、家事の合間などタイミングをみて、家族や周りの人が「そろそろお茶を飲みましょう」「少しお水を飲んでくださいね」と声をかけてあげてください。暑い夏を元気に乗り切るために、まずは毎日、こまめに水や麦茶を飲むことから始めてみましょう。

水分だけじゃない! 栄養不足にも気をつけて

高齢になると、運動量の減少や疾患などの影響で食事量が減ることが少なくありません。さらに、厳しい夏の暑さのために、食欲がなく、食事が不規則になる状態が続くと栄養が不足し、低栄養の状態になってしまいます。

低栄養とは、健康な体を維持するための栄養素が不足している状態です。低栄養は、要介護状態一歩手前のフレイル、筋肉・身体機能が低下したサルコペニアと呼ばれる状態、免疫低下や自律神経の乱れがさまざまな健康リスクを招きます。

免疫が低下すると、風邪などの感染症にかかりやすくなりますが、近年は夏場でもインフルエンザや肺炎などが流行する傾向にあり、高齢者の感染リスクが高くなっています。また、自律神経が乱れると、熱中症リスクが高まります。

*高齢者の夏の健康トラブルについては、こちらもご覧ください。
高齢者の夏風邪・肺炎にご用心! エアコンのカビは大丈夫? 冷房の温度設定をする前に
高齢者の熱中症対策は自律神経を整えることが大事 室温にも気をつけて

高齢者向け栄養補助食品を上手に利用しよう

高齢者が夏を健康的に過ごすためには、じゅうぶんに水分をとり、低栄養にならないことが大切です。そのためには、栄養バランスの取れた食事を毎日規則正しくとることが望ましいですが、暑さで食欲不振が続いている、食が細くなって食べづらいといったこともあるでしょう。そうした場合に利用したいのが、高齢者向けに開発された栄養補助食品です。

高齢者向け栄養補助食品は、カロリー・タンパク質・ミネラルなど不足しがちな栄養を効率よく補える食品です。食品の形状としては、ムースやゼリー、ドリンクなどがあり、ドリンクタイプであれば食欲のないときでも手軽に飲め、水分も補給できて便利です。ただし、とり過ぎは体に負担をかけてしまうことがあるため、持病がある人は医師、薬剤師に相談のうえ使用してください。

栄養補助食品はあくまで栄養を補うもので、水分補給は補助的な役割です。日々の水分補給は、できるだけ水や麦茶を基本に、栄養補給は、必要に応じてこうした食品を取り入れるのが安心です。しっかりと水分と栄養を補給して厳しい夏を乗り切りましょう。


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