マイナンバーカード保険証とは? 高齢者が知っておきたいマイナンバーカードと保険証の違い
高齢者一人暮らし

紙の保険証からマイナンバーカード保険証一本化へ
2024年12月2日以降、これまで使用されてきた健康保険証の新規発行が停止され、マイナンバーカードを健康保険証として利用するマイナンバーカード保険証、通称「マイナ保険証」が基本となっています。マイナンバーカードの普及率は2024年9月末時点で75%を超えており、すでに所持している高齢者も多いようです。
一方、2021年10月から始まったマイナンバーカードの保険証利用はあまり進んでいません。2024年9月に医療機関を受診した人のうち、マイナ保険証を利用した人の割合はおよそ21%にとどまっており、まだ紙やプラスチック製の保険証を使用している人が大半というのが実状です。
「マイナンバーカード保険証は従来の保険証とどう違うのか」「どうすればマイナンバーカードを保険証として使えるのか」「マイナ保険証がないと保険診療を受けられなくなるのか」といった疑問や不安を持つ人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、マイナンバーカード保険証について知っておきたいポイントを解説します。
マイナンバーカードと紙の保険証の違いは
まず、マイナンバーカードと従来の保険証は何が違うのでしょうか? 主な違いは機能性や利便性、情報管理の方法、安全性にあります。
●機能性と利便性
マイナンバーカードは保険証として使えるだけでなく、本人確認、住民票の写しなどの証明書の取得、電子証明書による行政手続きといった多様な機能を備えています。また、紛失しても第三者が悪用しにくい仕組みになっています。
これに対して、従来の保険証は健康保険証としての用途に限定されており、医療機関に提示することで保険診療を受けられます。紛失時の再発行手続きは簡便ですが、不正使用を防ぐ機能はありません。
●情報の管理について
マイナンバーカードの保険証機能では、利用者が同意すれば、医療機関が過去の診療履歴や薬の情報、特定健診の結果などを「マイナポータル」から確認できます。情報は医療機関や保険者間で連携され、適切な診療や薬の重複処方防止に役立ちます。
一方、紙やプラスチック製の保険証には診療履歴や薬の情報を共有できる機能はないため、医療機関ごとに利用者の情報を管理しなければなりません。
●安全性
マイナンバーカードはICチップで情報を管理しており、暗証番号がなければ保存されている情報にはアクセスできません。情報漏洩のリスクが低くなるよう設計されていますが、カードを紛失したり暗証番号を忘れたりしないよう注意しましょう。
これに対して従来の保険証は紙やプラスチック製であり、情報の保護は限定的で、紛失した場合には拾った人に不正利用される可能性があります。
マイナンバーカードを保険証として使うには

マイナンバーカードを保険証として使用するには、前提としてマイナンバーカードを取得しておかなければなりません。マイナンバーカードを取得するには「オンライン申請」「郵便による申請」「街頭の証明写真機からの申請」の3つの方法があります。
申請手続きについて詳しくはこちらをご覧ください。
地方公共団体情報システム機構 マイナンバーカード総合サイト
すでにマイナンバーカードを取得している場合は、下記のいずれかの方法で保険証として使用するための登録をしましょう。
・顔認証つきカードリーダーで登録
病院や薬局など医療機関の受付に設置された顔認証つきカードリーダーで申請登録する方法で、もっともシンプルな手段です。顔認証つきカードリーダーにマイナンバーカードを置き、画面の指示にしたがって手続きをします。暗証番号がわからなくても顔認証で登録できます。
・マイナポータルで申請
マイナンバーカード読取対応のスマートフォン、またはパソコンから手続きできます。パソコンの場合にはICカードリーダーを接続する必要があります。マイナポータルアプリをインストールし、マイナンバーカードと暗証番号を使ってログインして保険証利用登録を行います。
※詳しくはこちらをご覧ください。
【パソコン篇】マイナンバーカードの健康保険証利用の申込方法の手順(マイナンバー制度 公式YouTube動画チャンネル)
【スマホ篇】マイナンバーカードの健康保険証利用の申込方法の手順(マイナンバー制度 公式YouTube動画チャンネル)
・セブン銀行ATMから申請
セブン銀行ATMの画面から「各種お手続き」を選んで「マイナンバーカードの健康保険証利用の申込」に進み、案内どおりに手続きします。24時間いつでも申請可能で、マイナンバーカードと暗証番号を持参する必要があります。
保険証として利用登録したマイナンバーカードは「マイナ保険証」として使えるようになります。
医療機関の受付に設置された顔認証つきカードリーダーにマイナンバーカードを置いて、顔認証か暗証番号で本人確認をした後、画面の案内にしたがって情報提供に同意するかどうかを選びます。これでマイナ保険証による診療の受付は完了です。
手持ちの保険証の有効期限以降、マイナ保険証がないとどうなる?
手元にある紙やプラスチック製の保険証を使用できる期間は最長で2025年12月1日まで、また75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険証は2025年7月ごろに設定されている有効期限まで使えます。「有効期限が過ぎたら、マイナ保険証がないと保険診療が受けられなくなるのか」と不安に思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
有効期限までにマイナ保険証の登録をしていない、あるいはマイナンバーカードを所持していない人には、加入する健康保険組合などから「資格確認書」が送られてきます。資格確認書は申請不要で交付され、これを病院やクリニックの受付で提示すれば、これまでと変わらず保険診療が受けられます。
高齢者のなかには「手続きがむずかしそう」「デジタルに不慣れ」といった理由からマイナンバーカードを持たない人や、持っていたとしても保険証の利用登録をしていない人が多いかもしれません。
手持ちの保険証の有効期限が過ぎた後も、あわててマイナ保険証を持たなくても資格確認書を使って保険診療が受けられます。マイナンバーカードを取得するかどうか、健康保険証として利用登録するかどうかは、家族とも相談しながらじっくり検討してください。
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