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マイナンバーカードと高齢者 給付金詐欺にご用心!

高齢者問題

コロナウィルスに便乗? 特殊詐欺が増加

新型コロナウィルス対策のために、外出の機会が少なくなりました。
これにともない、電話やメールなどを使ったオレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺が増えています。自宅にいる時間が長くなったのをねらったものだと思われます。
この状況に便乗した詐欺や悪質商法による被害が各地で相次ぎ、警察庁によると、その被害額の合計は2020年5月の時点で3000万円を超えています。

なかでも、問題視されているのが「特別定額給付金」の給付をかたる特殊詐欺です。非常に巧妙な手口を使うものもあり、ただちに金銭的な被害がなくても個人情報を抜き取られたり、マイナンバーカードをだまし取られるケースが報告されており、注意が必要です。

新型コロナ感染症そのものも大きなリスクですが、この社会情勢に便乗した詐欺被害のリスクも日常生活のなかに潜んでいるのです。
従来と同様、高齢者が「今ある」特殊詐欺の被害に会いやすいのに変わりありません。
高齢者を給付金詐欺などの被害から守るために、その手口と何に気をつければいいか知っておきましょう。

要注意! 給付金詐欺の手口を知っておこう

警察や自治体などによると、特別定額給付金の申請をめぐり、このような事例が報告されています。

・国から特別定額給付金の代理申請を業務委託された団体を名乗る者から電話があり、氏名や住所、銀行の口座番号などを聞かれ、手数料はかかるが給付金が早く給付できると言われた。
・知らない相手から「手数料を払えば、マイナンバーカードと特別定額給付金の両方の申請手続きを代行するので、より早く給付金を受け取れる」という電話があった。

特別定額給付金の申請は、オンラインか郵送のどちらかの方法で行いますが、オンライン申請にはマイナンバーカードが必要になります。
マイナンバーカードを取得している人が少ない一方で、インターネット(オンライン)による手続きに慣れていない高齢者も多いものです。
以上の手口は、そうしたことにつけ込むものでしょう。
また、マイナンバーカードやオンライン申請に関連して、次のような相談も寄せられています。

・高齢の家族が見知らぬ訪問者にマイナンバーカードや預金通帳を渡してしまった。給付金支給をねらって、だまし取られたかもしれない。
・総務省など政府の関係機関や役所を名乗る者から、給付金のオンライン申請するよう記載されたURLをクリックするよう促すメールやSMS(ショートメッセージ)が届く。
・給付金の手続きができると称するサイトにマイナンバーカードの情報を入力してしまった。

これらに加え、神戸市などの自治体公式ホームページにそっくりな偽のサイトがみつかりました。
このホームページには、給付金を申請するサイトへのリンクバナーも設置されています。
個人情報を不正に取得するためにつくられたことが疑われます。

犯行の予兆? こんな電話にご用心

新型ウィルスに便乗した詐欺には他にもいろんな手口がありますが、犯行の前に予兆となるこのような内容の電話がかかってくることもあります。

・80歳以上の高齢者にコロナの補助金が出るので、キャッシュカードなどを用意して待っておくよう言われる。
・役所の職員をよそおい、「コロナ関係の書類が届いているか」、「役所の職員が給付金の書類を持って伺うので、いつ行けばいいか」などと聞いてくる。
・保健所などを名乗り、家族構成を聞き出そうとする。

給付金詐欺の被害を防ぐために

新型コロナウィルスに便乗した詐欺の被害を防ぐためのポイントを紹介します。

○政府の各省庁や市区町村などが、次のようなことは絶対に行いません。
・給付金の給付にあたり、手数料を要求し振込みを指示する。
・ATMの操作を依頼する。
・電話やメールなどで住民の家族構成や預金口座などの個人情報を問い合わせる。
・給付金の申請手続きのために、メールやSMSでURLに誘導する。

○国や自治体の偽のホームページに注意しましょう。
リンクバナーなどからホームページにアクセスするときは、ブラウザ上部のアドレス欄が正しいホームページアドレス(URL)になっているか確認してください。
なりすましサイトの場合は、その自治体名とは違う名称などを使ったアドレスになっています。
また、メールやSMSにURLが貼られている場合は、それが正しいURLか公式ホームページや公報などで確認しましょう。

○固定電話はつねに留守番電話にしておき、知らない番号や番号非通知の通話が携帯電話やスマホにかかってきても、出ないようにします。

○マイナンバー、各種暗証番号、口座番号、預金通帳、キャッシュカードは「絶対に渡さない、教えない(入力しない)」を徹底しましょう。

これらのポイントは、これまでの特殊詐欺の注意ポイントと基本的に同じです。
あらためてよく確認しておきたいですね。加えて、上述したようなメールや電話があったり、不審に思うことがあれば、迷わず住んでいる地域の役所や最寄りの警察署に相談してください。
相談用のホットラインもあります。
・消費者ホットライン 188(局番なし)
・新型コロナウィルス給付金関連消費者ホットライン 0120-213-188
・警察相談専用電話 #9110

特殊詐欺の手口は社会情勢に合わせて変わってきます。
詐欺の犯人たちは、こちらの不安やあやふやな知識に巧みにつけ込み、お金や情報を騙し取ろうとしてきます。安全に確実に給付金を受け取るためにも、高齢の家族がいるご家庭では、正しい申請方法や給付金詐欺の注意ポイントについて家族でよく話し合っておくことをおすすめします。
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