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孤独死の主な原因と対策とは? 亡くなってから発見まで平均18日という現状

高齢者一人暮らし

一人暮らしの高齢者の増加と孤独死のリスク

超高齢化にともない高齢者の単身世帯が増え続け、孤独死も増加し社会問題となりつつあります。孤独死についての全国的な統計はありませんが、日本少額短期保険協会の「第8回孤独死現状レポート」によると、2015年4月から2022年3月の間に賃貸住宅で孤独死した人のうち約62%を60歳以上の高齢者が占めており、全体のおよそ63%が病気によって亡くなっていました。

高齢者は持病のある人が多いですし、日ごろは元気でも突然の体調不良に見舞われる可能性が高いものです。異変があったときにすぐに対処できなければ、孤独死のリスクにつながってしまいます。そうしたことから、離れて一人で暮らす高齢の家族が心配という人も多いかもしれません。
孤独死にいたる原因と離れて暮らす家族ができる対策を考えます。

孤独死の定義とは? 孤立死との違い

実は、孤独死という言葉には正式な定義はありませんが、厚生労働省では「誰にも看取られることなく亡くなったあとに発見される死(*)」としています。もう少し広い解釈としては、主に独居の人が誰にも立ち会われることなく、自宅の中などで亡くなるというニュアンスで使われることが多いようです。また、孤独死は、家族や近隣の人などとつきあいはあるものの、同居人がいないことから看取る人がいないまま死を迎える状況です。

一方、孤独死によく似た言葉に「孤立死」がありますが、その違いは何でしょうか? 孤立死も、誰にも看取られることなくひとりで亡くなるという意味では、孤独死と同じですが、少し違いがあります。孤立死は社会から孤立した先にあるもので、家族や地域コミュニティとの交流がなく、亡くなったことを誰にも気づかれないまま、死後長い間放置されるといった状態をさします。そのため、孤立死の場合は亡くなってから発見されるまでの期間が長期化しやすいといえます。

つまり、孤独死と孤立死はひとりで亡くなることは共通しますが、社会との交流があったかどうかがその違いになります。言葉としては、ほぼ同義に使われることも多いようです。

*引用:内閣府「平成28年版高齢社会白書(概要版)

孤独死の原因と発見されるきっかけは?

次に、孤独死の原因についてみていきましょう。(ここでは、孤立死を孤独死に含めて説明します。)上述のレポートにもあるように、死亡原因の最も多くを病気が占めており、そのうちの多くがなんらかの病気による突然死と推測されます。次いで、原因不明を除き、自殺と事故がそれぞれ10%弱、約1%を占め、孤独死の原因となっています。

ここで、注目したいのが、孤独死のうち自殺の占める割合です。国民全体のすべての死因のうち自殺が占める割合は1%あまり。これと比較すると、孤独死における自殺はこの10倍近い割合ですから、非常に高いことがわかります。

また、孤独死が発見にいたる状況ですが、同レポートでは、亡くなってから発見されるまでの平均日数は18日です。発見のきっかけについては、同協会の「第6回孤独死現状レポート」によると、音信不通になったことによる訪問と異臭など住居の異常に周囲が気づくことがほとんどとなっています。このうち、3日以内に早期発見されたケースの90%近くが音信不通による訪問により発見されていますが、長期化のケースでも訪問による発見が半数以上を占めるものの、長期化するにともない住居の異常による発見も多くなっていきます。
このような現状から、孤独死は、本人はもちろん、周囲の人たちにとっても非常に痛ましいものといえ、なんとしても防いでいきたいものです。

高齢者の孤独死も孤立死も 対策のカギは見守り

高齢者の孤独死を防ぐには、まずは安全な生活環境を整えることが大切です。持病があれば治療するなど健康に気をつけ、住居内の段差を解消するなど、急な体調不良や不慮の事故の可能性をなるべく減らすといったことです。

その上で、求められるのが見守りの体制です。一人暮らしの高齢者に体調の急変や不慮の事故があった際、すぐに助けを呼んだり、発見することができれば孤独死のリスクを大きく減らせます。また、周囲から孤立しないよう、地域の人たちが日常的に声がけすることで孤独死を防ぐ対策になるでしょう。したがって、見守りが孤独死・孤立死の対策のカギといえます。

こうした見守りの体制づくりは離れて暮らす家族だけではむずかしいため、行政や地域住民のサポートも必要です。そこで、全国の自治体では福祉スタッフの配置や地域住民による見守り活動など、多様な取り組みが行われています。
例えば、岩手県奥州市では福祉スタッフを配置し、地域住民同士で見守り支え合う地域づくりを推進しています。さらに、福島県会津若松市では、新聞やガス、電気、水道、生協などの事業者と連携し、異変の報告連絡や情報共有を行っています。

一人暮らしの高齢者のために離れて暮らす家族ができること

高齢の家族と遠く離れて暮らしている場合は何かと心配かもしれません。とはいえ、高齢者本人の自宅の近隣住民とコミュニケーションをとっておく、地元の自治体などによる見守りサービスを把握して活用することで、離れて暮らしていても、一人暮らしの家族の孤独死対策はできます。どのようなサービスがあるかは、自治体のホームページなどで確認しましょう。

これに加えて、強い味方としておすすめしたいのがITによる見守りシステムです。「いまイルモ」は特別な工事なしに見守り対象者の自宅に設置でき、複合センサーにより24時間対象者を見守ります。離れて暮らす家族はいつでもスマホやPCで対象者の状況を確認でき、急変の際には緊急連絡も可能です。また、「いまイルモ」はカメラではなくセンサーによる見守りなので、対象者はプライバシーを気にせずに見守られている安心感を得られます。

高齢者の孤独死対策では、日常的な見守りが欠かせません。離れて暮らしていてもできる見守りの方法はあります。行政などのサービスやIT見守りシステムを組み合わせて対策していきましょう。


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