関連ワード

マスクいつまで? 公共施設や電車、自宅での高齢者への配慮は?

高齢者問題

5類移行後、高齢者のためにマスクは必要?

2023年5月8日より、新型コロナウイルス感染症の法的な位置づけが、新型インフルエンザ等感染症相当の「2類」から季節性インフルエンザと同等の「5類」へと変更されました。
これにより、感染対策としてのさまざまな制限やルールが大幅に緩和されています。

感染対策のひとつである屋内外でのマスク着用については、この変更に先立つ3月より、個人や事業者の判断に委ねられるようになりました。 

イベントは通常通りの開催となり、旅行も制限がなくなるなど、多くの人にとって「コロナ明け」は歓迎するものですが、一方で忘れてはいけないことがあります。それは、5類へ移行したといっても、コロナウイルスはなくなってはいないということです。
また、依然としてその感染力も高齢者の重症化リスクも変わってはいません。
そこで、高齢者と関わる機会のある方へ向けて、引き続き感染を防ぐために配慮したい家庭や外出時に気をつけたいポイントについてお話しします。

マスク着用についての国の方針は

マスクの着用については個人や事業者が判断するといっても、いつまで、またどのような場面で着用すればいいのか迷っている人も多いのではないでしょうか? 着用するべきかどうかの判断の基準を知っておきたいところです。まずは、国の方針を確認しておきましょう。
国としては、マスク着用は個人の判断が基本との方針を打ち出していますが、その一方で、着用を推奨する場所や場面について次のように示しています。

<マスク着用が推奨されるケース>
・医療機関を受診するとき
・重症化リスクが高い人が多くいる場所や施設(医療機関や高齢者施設など)に行くとき
・通勤時間帯などの混雑した電車やバスを利用するとき
・重症化リスクの高い人(高齢者、基礎疾患のある人、妊婦)が感染流行期に人の密集する場所に行くとき
・重症化リスクの高い人と接することが多い医療機関や高齢者施設のスタッフ

以上に加えて、新型コロナウイルス感染症の症状がある人、検査で陽性になった人、同居する家族に陽性者がいる人は外出を自粛し、通院などどうしても出かける必要があるときにはマスク着用の徹底が推奨されます。
これは、感染を拡大させないためです。

公共交通機関や商業施設は? 高齢者への配慮も

高齢者など重症化リスクの高い人にとっては、外出の際の感染リスクが気になるところでしょう。この度の国の方針を受け、医療機関や高齢者施設では、引き続きマスク着用や手指の消毒などの感染対策が行われています。

では、高齢者が利用することが多い他の公共的な場所、施設などについてはどうでしょうか?

基本的に事業者の判断となりますが、鉄道各社では乗務員は継続してマスクを着用するものの、乗客へのマスク着用と乗車中の会話の自粛の呼びかけはなくなりました。
一方で、鉄道会社によっては、混雑緩和のために時差通勤への協力要請を続けています。

また、大手デパート各社やスーパーマーケットのスタッフはマスク着用を続け、来店客には要請しないといったケースが多いようです。
高齢の顧客が多い店舗では、マスクに加え消毒薬の設置、レジまわりのパーテーション、レジを待つ人が密にならないよう間隔をあけた足元のシールなど、高齢者への配慮から対策を続けるといったケースもみられます。
外食チェーンでも来店客にはマスク着用を要請しないものの、スタッフは着用を続けるといった店舗が多く、来店時の検温や手指消毒の呼びかけを続ける外食店舗も少なくありません。

このように、事業者の多くでスタッフはマスク着用を続け、顧客には個人の判断に委ねるといった形をとっています。ただし、混雑時や今後、感染流行があった場合などは事業者の判断によって、顧客に対しマスク着用をはじめとする感染対策の協力要請が行われる可能性があります。

家庭内でのマスク着用と気をつけたいこと

新型コロナ感染症の5類移行後も場所や場面によってマスク着用が勧められているのは、マスクによる感染抑止効果が高いとされているからです。あらためてマスク着用の効果をみると、50cmの間隔で2人が対面した場合、両者が不織布マスクを適切に着用していれば、飛沫を75%抑えることができます。このマスクの効果は家庭内でも同様です。

家庭内で感染者があった場合の行動制限も緩和されていますが、感染者本人は発症から5日を経過しかつ症状軽快から約24時間は外出を控え、10日後まではマスクの着用が求められます。
同居する家族も家の中でもマスクを着用し、感染者の部屋は分け、こまめに手洗いをするよう推奨されています。
高齢の家族がいるお宅では、できるだけ高齢者と感染者の接触を避けるようにしましょう。

また、重症化リスクの高い高齢者が感染したときのことを考えると、スムーズな受診が重要になります。
5月8日以降、保健所による受診・入院調整がなくなり、一般のクリニックや医院などでも受診ができるようになりましたが、すべての医療機関が新型コロナに対応しているわけではありません。前もって、かかりつけ医がコロナ対応をしているか、もしくは自治体のホームページなどで家の近くにある対応可能な医療機関を確認しておくことをおすすめします。

新型コロナウイルスがなくなることはないといわれている一方で、マスクによる感染防止効果が認められています。「マスクいつまですればいいの?」といいたいところですが、当面は高齢者や重症化リスクのある人はもちろん、そうではない人も、場所や状況にあわせてマスクの着用を考えることが大切です。
マスクが必要ない場所に行くときでも、状況によっては乗車した電車が予想外に混雑するといったこともあります。
出かけるときは必ずマスクを携帯するようにしましょう。


▼マスクいつまで? 公共施設や電車、自宅での高齢者への配慮は?
▼コロナ5類への移行でマスク着用どうなる? 高齢者施設や医療機関、介護で
▼新型コロナウィルス対策のマスクで皮膚トラブル増加!高齢者は特に注意?

その他のおすすめ記事

  • コロナ禍での災害から高齢者を守る 避難時も感染対策と熱中症対策を忘れずに

  • これは認知症なのか? 噂のコロナ後遺症「ブレインフォグ」とは

    これは認知症なのか? 噂のコロナ後遺症「ブレインフォグ」とは

見守り支援システム「いまイルモ」

キーワード