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豪雪で高まるヒートショックの危険性 血圧などバイタルサインの異常に注意

安否確認

家の中でも外でもヒートショックに要注意

寒い時期に気をつけたい健康リスクといえばヒートショックではないでしょうか。
ヒートショックは短時間のうちに極端な寒暖差を経験することで、血圧が乱高下して起こる健康被害です。ヒートショックは暖かい場所から寒い場所、寒い場所から暖かい場所など、寒暖差がある場所への移動で起きる可能性があり、入浴時に最も発生しやすいといわれています。

ヒートショックを起こすと脳や心臓に深刻なダメージを与えることが多く、高血圧や心臓病などのある人はリスクが高いとされるため、特に高齢者は注意が必要です。ただし、ヒートショックは環境や生活スタイルを改善することで予防できます。
その基本となるのが、家の中の寒暖差をできるだけなくすことです。廊下や浴室、脱衣室、トイレなどにも暖房を入れて、リビングルームや居室などとの温度差を解消し、家全体を暖かくしましょう。

しかしながら、注意すべきはそれだけではありません。
暖かい家の中から外へ出るときも要注意です。温度差が10度以上になると、ヒートショックの危険性が高まります。
当然ながら屋外でもヒートショックを起こすことがあり、各地で例年以上の豪雪となっているこの冬は、特に危険性が指摘されています。

雪が多いと、なぜヒートショックのリスクが高まるのでしょうか? その理由と、ヒートショック対策として気をつけるべきポイントについてお伝えします。

除雪作業はヒートショックの危険性がいっぱい

雪が積もるとやらなければならないのが雪かきや雪下ろしなどの除雪です。
この除雪作業中に突然死するケースが国の内外で報告されており、その原因としてヒートショックの可能性が考えられるのです。暖かい家の中から寒い屋外に出るだけでもヒートショックの危険性がありますが、除雪作業によってさらにリスクが高まることが指摘されており、その理由として次のようなことがあげられます。

除雪はけっこうな重労働で、血圧や心拍数が上昇したところに冷たい外気にさらされることになりますが、これは心臓発作を引き起こす条件がそろった状況です。
また、重い雪を動かすために体に力を入れたり息を止めたりすることも、体への負荷となり血圧と心拍数はよりいっそう上昇します。さらに、除雪作業は午前中に行われることが多いですが、午前6時から10時までは心臓発作が起きやすいとされていれる時間帯です。
このようなことから、医師によってはヒートショックのリスクが高い高齢者は除雪作業をしない方がいいとの指摘もあります。とはいえ、高齢社会のわが国では、高齢者も除雪作業をせざるをえないというケースも少なくないでしょう。

除雪作業をする際に注意したいポイント

除雪作業にはヒートショック以外にも転倒や転落などの危険性がともない、ヒートショックが原因で転倒することもあります。
除雪作業をする際は、次のことに気をつけましょう。

・もし、ヒートショックを起こした場合、ダメージを少しでも小さくするには早期発見・早期治療が鉄則です。また、転倒した場合、積もった雪に埋もれて発見が遅れないようにするためにも、作業は必ず2人以上で行いましょう。どうしても一人で作業しなければいけないときは、事前に家族や隣近所に声をかけておくことで、万一の際の早期発見につながります。

・重ね着などでしっかりと防寒をし、簡単なストレッチなど準備体操をしてから作業を始めるようにします。

・屋内でこまめに休憩を取りながら、体調にあわせて無理をしないようにします。あと少しで終わりといった場合でも、疲れを感じていたら作業をやめることが大切です。

・作業前の飲食や喫煙は避けましょう。喫煙は血小板の粘着および凝集を高め、血栓を形成しやすくするため、狭心症などの原因あるいは引き金となるといわれています。また狭心症発作は食事摂取が誘引となることがあり、摂食による内臓の血流の増加にともない、心臓に血がいきわたらなくなることが原因の一つと報告されています。

バイタルサインのチェックや見守りも大事

屋外でのヒートショック対策が必要なのは除雪作業のときだけではありません。ほんのわずかな時間、例えば「ゴミ出しや郵便物を取りにちょっと外へ」といった場合でも、ヒートショックを起こす可能性があるのです。
ほんの数分でも外に出る場合は、防寒を忘れないようにしましょう。
また、日ごろからの健康管理も大切です。高血圧や心臓病のある人はヒートショックのリスクが高くなりますが、特に高血圧は自覚症状がないため、自分が高血圧であることがわかっていない人もいます。

突然の健康被害を避けるためには、日頃から血圧や心拍数などのバイタルサインをチェックし、自分の健康状態を把握するようにしましょう。血圧、心拍数は家庭用の血圧計で簡単に測ることができます。毎日決まった時間に1日1回測定し、高齢者の正常値と比較して高めの数値が続くようであれば早めの受診をおすすめします。

<高齢者の血圧・心拍数の正常値>
・血圧(いずれも家庭での測定値)
75歳以上:135/85 mmHg未満   75歳未満:125/75 mmHg未満
・心拍数(脈拍) 60〜80回/分

加えて、もしものケースに早期発見できるように備えるためには、見守りもカギとなります。上述のように、除雪作業は一人でしないことが基本ですが、一人暮らしの高齢者の場合、そうはいっていられないということもあるでしょう。その場合、離れて暮らす家族としては、ITによる安否確認システムを利用するという方法があります。

安否確認システム「いまイルモ」は、人感や温度、照度などの複合センサーで対象者を見守ります。「いまイルモ」のセンサーを家の中の温度が低くなりそうな場所や玄関に設置すれば、「家で暖かく過ごせているか」「家からの出入りの有無や不在かどうか」など、見守る家族はどこからでもスマホなどでいつでも確認することができます。
健康に気をつけ、見守りも工夫して、厳しい冬を安全に乗り越えましょう。


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