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ヒートショックにご用心! 高齢者の安全な住まいは浴室がポイント?

高齢者問題

ヒートショックって、なに?

最近よく耳にするようになった「ヒートショック」という言葉。どのようなものかご存知ですか?

ヒートショックとは、外気温が低くなる時期に発生しやすい健康被害のことです。急激な寒暖差によって、血圧が上下に大きく変動することなどが原因で、失神、脳梗塞、心筋梗塞などが起きることがあります。高齢になると温度差により血圧が上下しやすくなることから、高齢者はヒートショックの危険性が高いといわれています。

ヒートショックは入浴時に多く発生します。暖房していない脱衣室や浴室で体全体を露出すると血圧が急激に上がるため、脳卒中や心筋梗塞の原因となり得ます。また、いったん血圧が急上昇した状態で浴槽の暖かいお湯につかると、今度は血圧が急降下し失神することもあるのです。

浴室内で失神すると浴槽で溺水することも少なくありません。浴槽での溺水は家庭内事故の中でも重篤化や死亡につながりやすく、特に高齢者は注意が必要です。厚生労働省の調べによると、2014年には約4900人が家庭の浴槽で溺死しています。この死者数は2004年と比較すると、約1.7倍に増えており、その約90%が65歳以上の高齢者で、75歳以上の人たちの増加が目立ちます。

浴室はタイルやガラス類の多い空間です。ヒートショックによるふらつきや失神により転倒することがあれば、溺水だけでなく、大けがを負う可能性も高くなります。

浴室は危険がいっぱい?

このように冬場に浴室で発生しやすいヒートショックは健康へのダメージだけでなく、大きな事故につながる恐れがあります。もともと浴室は家の中でも1年を通して事故が起きやすい場所です。その理由となるのが、まず段差です。通常の住宅では、浴室の床面は脱衣室よりも10〜15センチ程度低く、浴槽のふちは床面から数十センチ程度高くなっています。また、水に強い浴室の床材は表面がなめらかですべりやすくなっていることが多いものです。

このため、浴室の出入りや浴槽のまたぎ越しの際につまずいたり、床ですべったりと、特に足腰の弱った高齢者にとって、浴室は転倒の危険性が高い場所です。浴室での転倒は、ヒートショックの場合と同様、大けがにつながります。さらに、浴槽につかっている間に眠ってしまい溺水するといった事例もあります。

安全な浴室って、どんなもの?

浴室は事故の起きやすい場所ですが、お風呂好きな人にとっては大切な場所ですから、安心して心地よく入浴できるようにしたいですね。そこで、高齢者にとって安全な浴室とは、どのようなものでしょうか?

浴室を安全な場所にするは、次のように危険性のある箇所を改善していくことが大切です。

・段差でつまずくのを防ぐため、出入口付近や浴槽の出入り用に縦手すりをつける。また、浴槽のふちは床面から40センチ程度のもの(和洋折衷式)が出入りしやすい。
・脱衣室と浴室の床面の段差をなくしてバリアフリーに。
・床ですべるのを防ぐため、床材はすべりにくいものにし、出入口から浴槽までの間の壁に横手すりをつける。
・介助や万一の際救助がしやすいように、浴室のドアは引き戸か外開きにする。
・窓やドア、鏡などのガラスは割れにくい強化ガラスや樹脂製にする。
・ヒートショックを避けるため、脱衣室と浴室に暖房設備を設置。

暖房の種類についても考えよう

ヒートショックを防ぐには、リビングや居室と脱衣室、浴室の温度差をできるだけ小さくすることがカギになります。そのためには、脱衣室と浴室にも暖房設備がほしいものですが、ここで注意したいのが暖房の種類です。暖房の方式には輻射熱(放射熱)により暖める輻射式と温風による対流式の2種類があります。床暖房やパネルヒーター、オイルヒーターなどが輻射式暖房、エアコンやファンヒーターなどが対流式暖房になります。

対流式暖房は暖まるのは早いのですが、入浴中や直後には風によってかえって体を冷やすことがあります。一方、輻射式暖房は暖まるのに時間がかかりますが、風は起きず、ホコリも立たないので、高齢者やアレルギーのある方にはおすすめです。とはいえ、すでに対流式の暖房器を設置しているなら、風が直接体に当たらないよう、吹き出し口の位置に注意しましょう。

リフォームなしでもできる安全に入浴する工夫

浴室リフォームを希望する場合、介護認定を受けていれば助成が受けられる可能性があるので、ケアマネージャーに相談しましょう。また、リフォームしなくても、工夫次第でできることはいろいろとあります。

例えば、浴室の床にすのこを敷いて脱衣室との段差を解消することができます。その際は、すべりにくい材質のものを選ぶと良いですね。また、浴室暖房機がなくても、浴槽のふたを開けたまま給湯することで、入浴時までに浴室を暖めておくこともできますし、脱衣室には市販のパネルヒーターやオイルヒーターを置くのもいいでしょう。

これらに加えて、高齢者本人や周囲の家族が浴室での事故が起きないよう意識することも大切です。このようなことを心がけるようにしましょう。

・入浴する前には家族に一声かけておき、入浴中に見回ってもらう。
・食後すぐの入浴は避け、飲酒後はアルコールが抜けてから入浴する。
・浴槽の出入りはゆっくりと行う。
・浴槽のお湯は41度以下にして、つかる時間は10分以内にする。

この他に、入浴はデイサービスで済ませるというのも1つの方法です。以上を参考に安全な入浴の仕方について、家族と相談しておきましょう。 ▼高齢者と暖房器具 高齢者見守りで気になるヒートショック対策 
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