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スマートシティとは? 介護のDX推進とデジタル田園都市国家構想の未来

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スマートシティとデジタル田園都市国家構想、その違いは?

近年、デジタル技術は社会のあり方に大きく影響するほどの進化をとげています。そうしたデジタルの力を街づくりに取り入れ、誰もが暮らしやすい地域にしていくことが期待されています。この考え方にもとづき、各都市でスマートシティ化が進められてきましたが、2022年には「デジタル田園都市国家構想」が閣議決定されました。スマートシティとデジタル田園都市国家構想は一見似た概念に思えますが、違いがあります。それぞれの定義をみてみましょう。

まず、スマートシティとは、国土交通省では「都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区(*1)」と定義し、その実現により、その都市の住民生活の向上を目指すものです。

これに対し、デジタル田園都市国家構想は、デジタル技術を活用して、地方の産業空洞化や人口減少などの課題を解決し、またその地域の特色を引き出し、魅力を高めようとするものです。国がこの構想を立ち上げた背景にあるのが、都会と地方都市の経済や人口などの格差です。「デジ活」と言われる地方のDX推進により、基幹産業である農林漁業を中心にした地方創生を行ない、地方の人材に加え、デジタル技術に長けた内外の人材を巻き込み、デジタルの力で豊かな自然、魅力ある地域資源・文化の恩恵を、都市部でも享受しようというわけです。この発想は、スマートシティには無い新たな切り口です。「地方に都市の利便性を、都市に地方の豊かさを(*2)」実現し、日本じゅうどこでも誰でも便利で快適に暮らせることを目指しています。

(*1引用:国土交通省
(*2引用:内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局

高齢者にやさしいスマートシティは街そのもののDX化

このことから、スマートシティは都市において生活の向上、デジタル田園都市国家構想は地方と都市における社会課題の解決と、それぞれの目標が異なることがわかります。また、デジタル田園都市はデジタル技術による社会課題の解決を経て実現されますが、その一環にはスマートシティづくりも含まれます。つまり、スマートシティ化はデジタル田園都市の実現に欠かせない一つの段階です。そのため、国は交付金を創設し、各地でスマートシティ化の取り組みを進めようとしています。

スマートシティづくりは、街そのもののDX(デジタルトランスフォーメーション)化といえます。DXとは、高度に発展したデジタル技術によって、ビジネスのみならず市民生活もより便利で快適なものへと変革させることです。街づくりにおいては、行政、インフラ、交通、商業、医療などの都市機能をあまねくDX化することが、新型コロナウイルスの拡大以降、急速に求められるようになりました。

そもそも、スマートシティのコンセプトはその地域のすべての人が安全で快適に暮らせることを目標にしています。多様性を重視し、誰ひとり取り残されることのない街づくりということです。そうした意味では、スマートシティで提供されるサービスは高齢者にとって役立つものが多いと思われます。

例えば、交通の分野では、これまでにも移動に困難を抱える人や買物弱者といった人のために、多くの地域で無料や低料金のコミュニティバスが運用されてきました。こうしたバスは通常、障害のある人も利用しやすい低床バスです。最近では、運営者によってはバスの運行状況を知らせるスマホやタブレット用の無料アプリが提供されるようになり、実際にバスが来る時間にあわせて停留所に行けばよく、利便性が高まっています。

DXを推進することで、高齢者を含むあらゆる人がより便利で快適に移動ができるのです。デジタル技術は進化を続けており、今後はアプリにはバスごとの混雑状況がわかる機能が追加されるなど、さらに利便性は高まっていくでしょう。

在宅介護にもDX推進の波

DX化が欠かせない都市機能には介護も含まれ、スマートシティ化は高齢者介護の領域でも大きなメリットが期待できます。介護のDX推進によるメリットといえば、事務系ソフトの導入による介護サービス利用者の情報管理業務の効率化や介護ロボットの導入による人的負担の軽減など、施設介護におけるものがあげられますが、在宅介護でもサービスのDX化によるメリットはあります。

その代表的なものが高齢者世帯の見守りサービスです。高齢者だけの世帯と高齢者の単独世帯が全国的に増え続けるなか、地域で暮らす高齢者を誰かが24時間毎日見守ることは、介護の人材不足もあり、現実的ではありません。しかし、スマートシティであれば、AIやIT技術を活用しネットワークカメラやセンサーで高齢者をつねに見守り、見守る側はスマホなどでいつでもどこからでも見守り対象者の様子を確認するといったことができます。

例えば、見守りシステム「いまイルモ」は、高齢者の自宅にセンサーを設置することで24時間対象者を見守りますが、クラウドを通して、家族と地域包括支援センター、自治体などが連携しての見守りが可能です。一括管理システムで対象者の状況をまとめて確認することや関係者間で見守りデータの共有もでき、実際に、地域包括ケアシステムのツールとして活用されている事例もあり、今後このような活用の広がりが期待されます。

https://www.imairumo.com/

DX化で在宅高齢者の見守りも進化

スマートシティ化の施策の内容は運用する自治体や組織によって違いがありますが、少子高齢化は全国どの地域でも直面し、DXによる解決が期待される課題です。デジタル技術を活用した公的な見守りサービスが提供されているかどうかは地域により異なりますが、「いまイルモ」は個人での利用も可能です。導入にあたっては、見守り対象者の自宅にセンサーを設置するだけ。特別な工事は必要なく、ネット環境がなくても使用できます。

また、「いまイルモ」はセンサーによる見守りなので、カメラのように見守られる側には「見られている」ことを意識させない、プライバシーに配慮された見守りです。さらに見守る側は4名まで登録ができるので、デジタルの力で快適で安心な見守りが可能になります。


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