グループホームでもサ高住でも! センサー型安否確認システムが追及するQOL
安否確認
高齢者施設におけるプライバシーとQOL
長寿社会となった現代、老齢期に施設に住み替える人が多くなりました。近年では、特別養護老人ホームや有料老人ホームに加え、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、高齢者施設の種類や数も増えています。施設への入所を検討する高齢者本人や家族にとって、施設選びの重要な判断基準のひとつになるのが、そこでいかにQOL(生活の質)が維持、向上されるかです。また、そのために欠かせない業務となるのが安否確認や見守りです。
施設において、見守りは高齢者が安心安全に暮らしていくための基盤といえる業務ですが、きめ細かく、慎重になるあまり、入所者に「監視」と感じさせてしまうのはプライバシーの侵害にもつながりよくありません。また、グループホームなどでは集団生活になりますから、そこで生活する高齢者にとって、プライバシーはデリケートで大切な課題です。プライバシーが守られ、個の尊厳が保たれるかはQOLにも大きくかかわります。
今回は、グループホームやサ高住での高齢者のプライバシーに配慮し、QOLの維持向上を支える見守りのあり方について考え、それに役立つセンサー型安否確認システムについてもお伝えします。
QOLとADLは見守りとどう関係する?
QOLはQuality of Life(クオリティーオブライフ)の略で、生活の質や人生の質と訳されます。心身の健康にも深くかかわり、人生の満足度や幸福度ともいえるでしょう。QOLの考え方では個人の意思が大きく尊重され、QOL向上は本人の希望するものでなければなりません。そのため、介護する側の思い込みや押しつけであってはいけないのです。
また、QOLはADL(Activity of Daily Living =アクティビティーオブデイリーライフ)と密接に関係しています。ADLは日常生活動作能力と呼ばれ、日常生活の中での食事や排せつなどを行うための基本的な動作能力のことで、高齢者の要介護度を判断する目安にもなります。通常、ADLの向上により、QOLも向上するといわれていますが、同じ要介護度の人でも目指したいQOLはそれぞれの希望により異なるので、提供するべき介護は本人の希望に合わせるのが望ましいとされます。
また、それ以前に、安心安全な生活環境が維持できなければ、どのようなQOLも実現できません。そのため、見守りは介護の基本ともいえる業務ですが、施設における見守りは常に高齢者の様子を観察しながら、介助が必要であればスタッフが適切かつ速やかに対応できる体制にしておくことです。
そのためには日ごろから、介護する側が入所者一人ひとりのADLと希望するQOLを把握しておくことが大切になるでしょう。そのうえで24時間目を配ることで、安心安全に暮らせる環境を維持していけるのです。
グループホームやサ高住で問われる見守りの在り方
見守りは高齢者が施設で安心安全に暮らしていくために欠かせないことで、日々の生活のなかで適切な支援を提供することで事故を未然に防ぎ、急な体調変化にもすぐ対応できるようにすることです。深刻な人手不足が問題となっている介護業界では、この見守り業務の支援としてIoT設備を導入するケースが増えています。
IoTの見守りシステムにはネットワークカメラを使用するものがありますが、その場合、大きな課題となるのが見守られる側のプライバシーです。例えば、グループホームは認知症のある人向けの施設ですが、集団生活が前提です。出入口や共用部だけならまだ良いのかもしれませんが、個室の中もカメラで見守られるとなると、常に誰かの目を意識し息が詰まるという人もいるのではないでしょうか。
終の棲家で自分らしく過ごしたいという願いこそ、究極のQOL/ADLの向上です。特に集団で過ごさなければならないグループホームにおいて、プライバシー保護を考えたシステムの導入は、施設のホスピタリティを示す重要なポイントになるでしょう。
なお、サ高住では安否確認と生活相談を必須とする見守りサービスが提供されますが、あくまでも高齢者向けの賃貸住宅であり、多くの場合、各居室の独立性が重視され、生活や行動への制限は少なくなっています。したがって、サ高住の入居者は比較的元気な人が多く、見守りが主要なサービスとはいえ、特に居室内など、カメラ監視などのプライバシーに立ち入るような安否確認の仕方は好ましくないかもしれません。
センサーによるシステムでプライバシーに配慮した見守りを
安心安全な生活を守ることは大切ですが、そのための見守りが見守られる人のプライバシー感覚に合っていなかったり、ストレスになるのは避けたいもの。そこで、プライバシーに配慮した見守りを実現する方法となるのが、センサー型安否確認システム「いまイルモ」です。
「いまイルモ」は人の動きや温度・湿度、照度に反応する複合センサーにより、対象者と周囲の環境をモニタリングします。センサーが検出した反応や変化は電気的な信号に変換され、数値などの情報として表示されるので、カメラとは違い、見守り対象者は見られていることを意識せずに済むので、プライバシーに配慮された見守りが可能になります。例えば、サ高住などで、共用玄関にはネットワークカメラで外出の有無、居室内は「いまイルモ」で生活の様子をチェックするといった組み合わせもできます。
また、「いまイルモ」はナースコールシステム「Vi-nurse」とのシステム連携も可能です。「いまイルモ」のセンサーがとらえた入所(居)者の動きや変化を介護スタッフはほぼリアルタイムで知ることができ、必要に応じた声掛けや支援を速やかにおこなえます。これなら、普段の生活の中でさりげなく、生活リズムの変化や環境の異変に気づいてもらえるでしょう。入所者にもそれぞれ自立した生活の中で、安心感を持ってもらえるはずです。
施設でのプライバシーに配慮された見守りはQOLに大きくかかわります。また、見守りのあり方とどうQOLを維持向上させているかは、施設選びの重要なポイントです。実際に「いまイルモ」を導入し、プライバシーに配慮された見守りを実現している施設もあります。これも施設選びの目安のひとつといえるかもしれません。
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