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高齢者は高血圧対策が必要? 糖尿病の人は要注意!

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高血圧は国民病! こんなに多い患者数

日本では高血圧の人が非常に多いといわれています。推計によると、その患者数はおよそ4300万人。
まさに国民の3人に1人が高血圧ということになります。全体の患者数のうち治療を受け血圧コントロールできている人は27%にとどまり、33%の人は診断を受けずに高血圧を自覚していないと推測されています。国の人口の10%以上にあたる約1400万人が高血圧になっているのに気づいていないということです。

「平成30年 国民健康・栄養調査」によると、60?69歳の男性72.3%、女性50.6%、70歳以上では、男性75.7%、女性74.1%が高血圧であると報告されています。実に、後期高齢者のほとんどが高血圧という状況です。

高血圧は自覚症状がほとんどないにもかかわらず、誰でも歳を取ると血圧は高めになっていくため、高齢者にとっては日々気にかけておくべき疾患といえるでしょう。高血圧が高齢者にとってどのように脅威なのかということを説明し、おこなうべき対策を紹介します。

高血圧の基準は? 高齢になると血圧が高くなる理由は?

そもそも、高血圧とはどのような状態でしょうか?
まずは、血圧値がどれくらいなら高血圧と診断されるのか、その基準について知っておきましょう。日本高血圧学会などによると、「血圧の値のうち上の血圧が140mmHg以上の場合、または下の血圧が90mmHg以上の場合、あるいはこれらの両方を満たす場合(*引用:「一般向け『高血圧治療ガイドライン2019』解説冊子」)」高血圧と診断されます。

ここでいう、上の血圧/下の血圧とは、それぞれ「収縮期血圧/拡張期血圧」のことです。
血圧は心臓から体全体に送り出された血液が血管の壁に加える圧力のことで、心臓の血液を送り出すための収縮と拡張を繰り返すポンプとしての動きによって発生します。心臓が収縮しているときの血圧が収縮期血圧(上の血圧)、拡張しているときの血圧が拡張期血圧(下の血圧)といい、収縮期には血管への圧力は最も強くなります。

高血圧は一度だけ血圧を測って判断するのではなく、診察室で日を替えて数回、もしくは自宅で5〜7日間測定し、その平均値によって判断するのが一般的です。病院の診察室で血圧を測ると自宅よりも高めになる人が多いことから、病院などで測る診察室血圧と自宅で測る家庭血圧ごとに、高血圧の診断基準となる上/下の血圧値が次のように決められています。

<高血圧の基準値>
・診察室血圧: 140/90mmHg
・家庭血圧:  135/85mmHg

高齢者に高血圧の人が多いのは、加齢により動脈の柔軟性が失われ硬くなっていくからです。これにより、心臓が収縮するときに大動脈のふくらみが小さくなり、収縮期の血圧が上がる収縮期高血圧という状態が高齢者にはよくみられます。

高血圧はこんなに怖い

高血圧は自覚症状がない場合がほとんどですが、放置すると健康上の大きなリスクを招きます。血圧の高い状態が続くと血管が硬く、また狭くなり、よけいに血圧が上がるという悪循環に陥ります。さらに放置をすると、気がつかないまま徐々に心臓や脳の血管の動脈硬化が進み、ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞を起こすことがあるのです。また、腎臓にも少しずつダメージが加わり、気がついたときには人工透析が必要なほど腎機能が悪くなっていたということもあります。

自覚がないまま重篤な病気(合併症)を引き起こすことから、高血圧はサイレントキラー(無言の殺人者)とも呼ばれ、日本では高血圧により死亡する人が毎年10万人を超えています。もし、以下のような症状があれば、高血圧の合併症の可能性が考えられるので、速やかに受診することをおすすめします。

・早朝に頭痛がする
・夜間の呼吸困難、ひん尿
・ふらつき、めまい
・足が冷たい

糖尿病の人はより注意が必要

このように高齢になると高血圧のリスクが高くなるわけですが、特に糖尿病の人は注意が必要です。
糖尿病患者のおよそ半数前後が高血圧も発症しているというデータがあり、糖尿病があると高血圧にもなりやすいとされています。その主な理由として考えられているのが、この4つです。

・肥満:糖尿病の人に多い肥満ですが、肥満は血圧を上昇させるホルモンが多く出ます
・腎機能の低下:糖尿病により腎機能が低下すると、ナトリウムがうまく排出されず血中のナトリウム濃度が上がり、濃度を保つため血液量が増えるので血圧が上がります
・インスリン抵抗性:高い血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されると、高インスリン血症となり、血中のナトリウムが増加するため血液量が増え、血圧が上昇します
・動脈硬化:血糖値が高い状態が続くと血管がもろくなり、動脈硬化が進みやすくなります

糖尿病と高血圧を併発すると動脈硬化が一挙に進み、糖尿病性腎症や網膜症も悪化するといわれています。
そのため、糖尿病があれば高血圧の予防や早めの受診に積極的に取り組むべきでしょう。また、糖尿病患者の場合、高血圧の基準値は、「130/80mmHg」と少し厳し目に設定されており、基準値以下の血圧でも状況によって治療が必要なケースもあります。

対策は、まず血圧を測ることから

国民病ともいえる高血圧ですが、糖尿病の人はもちろん、高齢になれば誰もが対策を心がけていきましょう。まずは、自宅に血圧計を備えて、ときどきは血圧を測るようにし、基準値を超えることが数日以上続いたり、健康診断で高血圧を指摘された場合は早めに受診することが大切です。
高血圧の治療は基準値以下に血圧をコントロールすることが目標になりますが、その方法は降圧剤の服用や食事の改善、運動の習慣づけなどがあります。血圧値や他の病気の有無、ライフスタイルなどによって適した治療は異なってくるので、主治医とよく相談してください。


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