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花粉症だと思っていたら、コロナ感染? オミクロン型の症状に要注意!

高齢者一人暮らし

オミクロン型の症状は花粉症とそっくりって、ホント?

新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の流行が続いています。感染拡大のピークは過ぎたかのようですが、重症患者の数は高止まりの様相を呈しています。このような状況のなか、今年も花粉症の季節が到来しました。この春、特にやっかいなのが、オミクロン型による新型コロナ感染症の症状が花粉症とよく似ていることです。

感染力が強い一方で重症化しづらいといわれるオミクロン型とはいえ、重症患者が高齢世代に集中しています。また、感染した場合、重症化するのを防ぐには早期治療が大きなポイントになるために、新型コロナ感染症の症状に早めに気づくことが肝心です。花粉症だと思っていたら、新型コロナ感染症だったということになれば、治療も遅れてしまいます。

そんなことにならないためにも、今回は、花粉症とまぎらわしい症状の見分け方や、この時期特有の感染対策にまつわる注意点などについてお伝えします。

早期治療が重要視される理由

新型コロナウイルスに感染した場合、早期に治療につなげることが以前にも増して重要になっています。その理由のひとつといえるのが、この2月に特例承認された新型コロナ感染症の治療薬「パキロビット」です。この薬は飲み薬で、臨床試験の結果、重症化の恐れがある患者の入院や死亡リスクを90パーセント近く減らす効果が認められています。

パキロビットは、持病があるなど重症化リスクを抱える人が、入院するほどではない状態で、自宅などで療養する場合などに投与されることになっています。入院だけでなく外来でも処方でき、新型コロナ感染症治療の大きな前進につながるとして、大きな期待が寄せられる新薬です。ただし、その効果を得るためには、発症から5日以内に投与することが条件となります。症状に気づいたら早めに受診することが重要になるわけです。重症化リスクの高い高齢者は特に新型コロナ感染症の症状に注意が必要といえるでしょう。

オミクロン株感染と花粉症の症状の違い

そこで、この時期知っておきたいのが、現在新型コロナ感染のほとんどを占めるオミクロン株と花粉症の症状による見分け方です。まず、オミクロン株感染では、このような症状が報告されています。

<オミクロン株感染による症状>
・くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、倦怠感、発熱
・嗅覚障害もあるが、従来型よりは少なめ

これに対し、花粉症の主な症状は次の通りです。

<花粉症による症状>
・くしゃみ、鼻水、鼻づまり、嗅覚障害、目のかゆみ、喉のイガイガ感
・倦怠感や微熱が出ることもある

人によって症状の出方は異なりますが、いずれも鼻の症状が主で、他も似かよったものが非常に多いですね。これらの症状のうち、オミクロン株感染であまりみられないのが目のかゆみです。これまでも毎年花粉症にかかっていて、目のかゆみがある場合は花粉症の可能性が高く、耳鼻科を受診することをおすすめします。

これ以外に見分けるポイントとなるのが、発熱の有無と鼻水です。花粉症でも微熱が出ることはありますが、オミクロン株感染での発熱は37.5度以上になることが多く、他の症状とともに発熱があれば、コロナ感染が疑われます。また、鼻水の違いですが、花粉症ではサラサラした鼻水が絶え間なく出るのに対し、コロナをはじめとする感染症では、水っぽいか、もしくは黄色い分泌物を含む粘り気のある鼻水が出ます。さらに、花粉症では晴れた日など、特定の時間帯や環境・場所によって症状の重さが変わることがよくあります。

こうした違いが目安になりますが、花粉症の経験がない人など、自分で症状による区別がむずかしいケースもあるでしょう。その場合、耳鼻咽喉科を受診するのも選択肢のひとつになりますが、コロナ対応をしていない医療機関もあるので、事前に電話などで症状を伝えるとともに問い合わせが必要です。

花粉症でコロナ感染が広がる?

新型コロナ対策をしていく上で、花粉症を持っている人、今年初めて花粉症になった人は、花粉症の治療をして症状をしっかりとコントロールすることが大切です。花粉症により、新型コロナの感染を広げてしまう恐れがあるからです。

その主な理由のひとつが、花粉症の症状があると、手で目や鼻のまわりを触るのが多くなることです。手にウイルスが付着していれば粘膜からウイルス感染する可能性が高まります。

また、くしゃみは花粉症の典型的な症状ですが、くしゃみ1回で出る飛沫は咳の10倍もの量といわれています。そのため、ウイルスに感染している人がくしゃみをすると非常に多くのウイルスを飛散させてしまいます。

このように、花粉症の症状を放置していると、自分自身が感染するリスクと周囲に感染を広げるリスクを高めることになってしまうのです。

新型コロナと花粉症対策の両立を

以上のことから、花粉症のある人や花粉症の人と同居している場合、この時期は新型コロナ感染と花粉症の対策を同時に行う必要があります。感染対策の基本であるマスクの着用は花粉対策としても有効ですが、悩ましいのが換気です。感染対策として屋内のひんぱんな換気が推奨されていますが、花粉症の人にとっては症状を悪化させないよう、この時期はなるべく窓を開けたくないものです。

そこで、換気扇の吸気口には花粉フィルターを設置し、空気清浄機を活用しましょう。空気清浄機がないなど、窓を開けて換気する場合はレースのカーテンを引いておくだけでも、室内に入る花粉を減らすことが可能です。花粉を吸着する機能を高めたレースカーテンも販売されています。

これまで感染拡大の波が何度も繰り返されてきましたが、高齢の重症患者が増えると感染爆発が起きることがわかっています。高齢者の重症化を防ぐことが、社会全体での感染を抑えることにもつながります。この春はしっかりと花粉症対策をして、高齢者をコロナ感染から守っていきましょう。


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