関連ワード

コロナ禍において保険料が減免 後期高齢者医療制度を改めて考える

高齢者問題

75歳を過ぎたら、健康保険が変わる?

高齢化が進むことで、個人的にも国全体でも問題になることのひとつが医療費についてです。高齢になるにつれ、体調を崩すことが多く、持病を持つ人も増える一方で、収入は減る人が多くなるからですが、特に75歳以上のいわゆる後期高齢者の人たちの医療費が国全体の大きな負担となっています。

日本は国民の誰もが良質な医療を受けられる「国民皆保険」を維持してきました。これは、すべての国民が収入に応じた保険料を納めることで成り立ってきた制度です。しかし、少子高齢化が続くと収入の少ない高齢者ほど医療支出が多いという、世代間で不公平性が生まれ、収支バランスもよくない状況になります。国民皆保険と良質な医療体制を維持していくためには、医療保険制度は公平なものであるべきです。

こうしたことから、平成20年(2008年)、75歳以上の高齢者を対象に後期高齢者医療制度が施行されました。75歳になれば誰もが加入する制度ですが、あまりよくわかっていないという人もいるのではないでしょうか? 実は、この制度にはいろんな給付や減免措置もあり、最近では新型コロナウイルス感染症に関する保険料の減免制度も設けられています。この機会に、後期高齢者医療制度について知っておきましょう。

そもそも後期高齢者医療制度とは

後期高齢者医療制度の基本的な事項について説明します。

<運営主体>
後期高齢者医療制度は都道府県ごとにすべての市区町村が加入する「後期高齢者医療広域連合」が主体(保険者)となり運営されています。申請・届出などの手続きや保険料の徴収などの業務は市区町村によって行われます。

<被保険者(加入者)>
すべての75歳以上の人、もしくは特定の障害などがある65歳以上の人がこの医療制度の対象者(被保険者)です。被保険者としての資格は75歳の誕生日から発生し、それまでに加入していた健康保険組合や国民健康保険を脱退し、後期高齢者医療制度に加入することになります。扶養家族として同居する子供の勤務先の健康保険に加入していた場合も、こちらの制度に移行します。
後期高齢者医療制度への加入に際しては特に手続き等は必要ありません。75歳の誕生日の同じ月内に居住する市区町村から被保険者証が送られてきます。ただし、勤務先の健康保険組合などに入っていた人は脱退の手続きが必要な場合があるので、詳細は加入の健康保険組合などに問い合わせてください。
65歳以上75歳未満で特定の障害がある人の加入は任意になります。加入についての手続きや要件などについては、居住する市区町村の役所窓口で確認できます。

<保険料>
保険料は被保険者一人ひとりが納めるもので、納付する保険料の額は、すべての被保険者が一律同額に負担する「均等割」と所得額に比例して負担する額が変わる「所得割」の合計になります。実際の保険料は広域連合ごとに算定されるので、所得額と居住する都道部県によって異なります。
所得の低い世帯の人や、この医療制度への加入日の前日まで社会保険等(国民健康保険、国保組合は対象外)の被扶養者だった人に向けては保険料の軽減制度があります。

<医療機関における自己負担の割合>
後期高齢者医療制度の被保険者が病院などで医療費を支払う際の自己負担の割合は、1割、または3割です。この違いは、被保険者ごとに住民税の課税対象となる所得額(収入から経費や各種控除を引いた額)をもとに、次のように判定されます。
一般:1割
現役並みの所得がある人(*):3割
*住民税の課税対象となる年間の所得額が145万円以上ある被保険者、またその人と同世帯の被保険者。

新型コロナ対応も? 知っておきたい給付や減免措置

当事者としては、この制度について最も気になるのが保険料と医療費の自己負担額ではないでしょうか。病気やケガをしないのがいいのは当然ですが、特に後期高齢者になると健康リスクは高くなってしまいます。そのため、後期高齢者医療制度には各種の給付や減免措置が用意されています。

例えば、高齢者の場合、入院が長引くことが多いものですが、入院中の医療費以外の食事代や居住費などの一部が補助されます。また、1カ月以内の自己負担額が一定以上を超えた場合の給付、特定疾病の医療費の自己負担額の減免なども受けられます。さらに、自己負担が3割と判定されていても、世帯の人数や同一世帯の家族構成によっては自己負担割合を下げられる可能性があります。

この他にも、特に近年では新型コロナウイルスの流行にあわせた減免が行われるようになりました。これは、世帯主が新型コロナウイルスに感染し死亡または重篤化した場合や、新型コロナ感染症による影響で世帯主の事業収入の減少が予測される場合に、一定の条件を満たすことで保険料が減免されるということです。

このような給付や減免を受けるには、いずれも満たすべき条件や申請の必要があります。いずれも、詳しくはそれぞれの広域連合もしくは市区町村の窓口で確認してください。各都道府県の広域連合や市区町村のホームページなどでも情報を得ることができます。

*各広域連合サイトリスト↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/koukikourei/index.html

老後の暮らしでは保険料や医療費はかしこく抑えたいものですが、そのためには、まず自分が加入する医療制度をよく知ることが大切です。すでに後期高齢者医療制度に加入している人だけでなく、近い将来加入する人も各広域連合のホームページなどに一度目を通してみてはいかがでしょうか。



▼後期高齢者が急増! コロナ後に迎える2025年問題
▼コロナ禍において保険料が減免 後期高齢者医療制度を改めて考える
▼進むコロナ対策!コロナワクチン接種とマイナンバーカードが連動
▼マイナンバーカードと保険証が合体 高齢者にとっての利便性は?
▼マイナンバーカードと高齢者 給付金詐欺にご用心!
▼マイナポイントって?登録のメリットとキャッシュレス決済を考える

その他のおすすめ記事

  • 一人暮らしじゃないのに孤独死!? 深刻化する高齢者の孤独死対策を考える

  • 進むコロナ対策!コロナワクチン接種とマイナンバーカードが連動

    進むコロナ対策!コロナワクチン接種とマイナンバーカードが連動

見守り支援システム「いまイルモ」

キーワード