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コロナワクチンと高齢者問題 日本のワクチン接種はどう進む?

高齢者問題

高齢者のコロナワクチン接種ようやく始まる

先進国の中で最もコロナワクチン接種が遅れているわが国ですが、医療従事者に続き、ようやく高齢者向けの接種が始まりました。
より多くの人が接種すれば感染者数も減ることが諸外国の例から明らかになり、日本でも一般の人たちへの接種がとどこおりなく拡大していくことが望まれます。

高齢者への接種が先行しているのは、高齢者は他の世代よりも感染した場合に重症化しやすいことと、それによる医療体制への負担を少なく抑えるためです。超高齢社会でスムーズに接種を進めるには、高齢者問題への対応がカギになってくるでしょう。

日本でワクチン接種が遅くなっている背景と、接種拡大に向けての課題と国や自治体の取り組み、個人のレベルで気をつけたいことについてお伝えします。

日本でワクチン接種が遅れている背景

世界のコロナワクチン接種状況に関する統計(2021年4月18日現在)によると、昨年12月から接種を始めたイスラエルでは、およそ60%の人が接種を完了しています。これに次いで、チリではおよそ30%、アメリカでは24%の人が接種を完了しました。
その一方で、日本国内で接種を終えた人の比率は、わずか0.5%程度にとどまっています。これは、G7諸国の中でも最も低い比率ですが、なぜ、このように遅れをとっているのでしょうか?

その背景として指摘されているのが、ワクチンの安全性やリスクに対する考え方の違いです。
今回のコロナ禍において海外では、早急に接種を進めるために、国外のデータを国内の臨床試験に代用することで輸入ワクチンの使用を承認した国もあります。
これとは対照的に、日本ではワクチンの安全性や有効性が厳しく求められるため、法律通りに臨床試験を行い、日本人への安全性と有効性を入念に確認した上で輸入ワクチンが承認されました。

加えて、国産ワクチンの開発も海外より遅れています。
その理由に、日本のワクチンメーカーは比較的小規模な企業が多いことがあげられます。ワクチンの製造販売は世界規模のビジネスであることから、規模が小さめの日本のメーカーは生産能力や競争力がどうしても小さくなってしまうのです。

日本でのワクチン接種 これからの課題は

日本ではこのようなワクチン事情となっていますが、コロナワクチンの安全性や有効性について疑問視する人も少なくないようです。
その一方で、すでに接種を行っている諸外国での有効性や副反応などの情報が蓄積されているので、そのデータを参考にしながら接種を行なっていくことが可能です。

また、接種には本人の同意が必要ですが、1人でも多くの人が速やかに接種を受けることが感染拡大の早い収束につながります。
持病などにより副反応の心配がある人は事前に主治医に相談する必要がありますが、ワクチンの安全性と有効性についてのデータをもとに接種のメリットとリスクを知った上で、各自が接種する・しないの判断をすることが大切です。
厚生労働省ではワクチンの安全性などの情報を公開しているので、参考にしてください。

新型コロナワクチンの有効性・安全性について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkoujoukyoutyousa.html

さらに、国産ワクチンに関しては、国内で開発を行う製薬メーカーや研究機関のへの国による支援も始まっています。開発費用の部分的な補助やアジア地域での研究・治験のネットワーク構築などを通し、中長期的にワクチンを提供できる体制をつくろうとしています。

高齢者のワクチン接種、こんなことに注意

このような状況下で始まった高齢者へのコロナワクチン接種ですが、スムーズに接種を受けるには、個人のレベルで何に気をつければいいのでしょうか? まず留意したいのが、事前に接種対象者に接種券が配布されるのは同様ですが、接種の仕方が市区町村ごとに異なることです。

例えば、同じ東京都でも市区町村によっては、体育館などの公的施設や医療機関など複数の接種会場から接種場所を選んで予約するケースもあれば、前もって場所や日程が指定されているケースもあります。予約が必要な場合は、ほとんどが電話かネットを通して行うことになります。

ほとんどの市区町村が公式ホームページでコロナワクチン接種の情報コーナーや予約窓口を設けていますが、ワクチンの供給状況などにより対応が変わることもあるので、地元の自治体のホームページを事前にチェックしておくことが大切です。とはいえ、ネットに慣れていない高齢者にとっては、予約も含めネットを通した利用については、周囲の手助けが必要になるでしょう。

接種会場まで行けない場合はどうなる?

また、接種会場へ行くのが困難という高齢者も少なくありません。
施設に入所している人は訪問による接種が受けられますが、在宅で移動に困難にある人に向け、今のところ送迎サービスを予定している自治体はないようです。
家族などが付き添うことは可能ですが、足腰が不自由ながら付き添いがない人や在宅で寝たきりの人への接種がどうなるのかも課題といえます。

このような不安があるなか、熱海市では、往診を受けている人は自宅で主治医からの接種が可能になる予定で、こうした対応が全国的に広がることが望まれます。
今後、高齢者向けの対応なども変わってくる可能性がありますが、それも市区町村ごとに異なるでしょうから、居住する自治体のワクチン情報を随時チェックすることが大事です。
しかしながら、上述の通り、ネット中心に情報が提供されるので、ネットに不慣れな高齢者には周囲のサポートが必要でしょう。


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