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孤独死をなくしたい! 官民あげての孤独死・孤立死対策とは

高齢者問題

コロナ禍で深まる孤独、孤立

コロナ禍での暮らしが一年以上続いていますが、これにともない深刻化しているのが、孤独や孤立の問題です。
不要不急の外出を控え、人と接触の機会を減らして生活する中で、孤独を感じたり、社会から孤立してしまう人が年齢を問わず増えています。

孤独や孤立は孤独死・孤立死を招きかねないものですが、ある報告によると、2015年4月から2020年3月までの間に孤独死した人の死因の1割強を自殺が占めていました。自殺を考える人は孤独感を抱えていたり、社会から孤立していることが多いようです。
孤独・孤立は、こころの健康をむしばみ、鬱などを引き起こすことは以前から知られていますが、最近では、心疾患を悪化させるなど身体的なダメージになることもわかってきました。

孤独や孤立は心身ともに健康リスクを高めるということですが、特に心配なのが高齢者です。
ここ数年で「孤独感」を理由にした高齢者の自殺が増加しているというデータもあります。
また、孤独により一人暮らしの高齢者の身体的な疾患が悪化すると、孤独死・孤立死の可能性も大きくなります。

新型コロナ流行以前から、高齢者の孤独・孤立は大きな問題とされていました。
高齢者を孤独死・孤立死させないための早急な対策が望まれます。そのための官民あげての取り組みについてお伝えします。

孤独死と孤立死の定義と違いは?

ここで、孤独死と孤立死とは、どのような意味か確認しておきたいと思います。
実は、これらの言葉には明確な定義はなく、したがってはっきりとした違いもありません。自治体や学術的な資料をもとに考えると、おおむね次のような意味になります。

孤独死:突然の病気などにより、主に一人暮らしの人が自宅などで誰にも看取られずに亡くなってしまうこと。
孤立死:社会的孤立により、自宅などで亡くなったあと誰にも発見されないままになること(特に事件性はない)。

どちらも痛ましいことには変わりありませんが、孤立死は孤独死よりもさらに深刻なものといえるでしょう。
社会的孤立とは、端的にいえば、ある人にとって生きるために必要な社会的なつながりに欠けた状態のことです。一人暮らしでも孤立せずに孤独を感じていなければ特に問題がないように思えますが、高齢者の場合は、急な体調変化が起きることも多く突発的な孤独死のリスクがないとはいえません。

孤独死と孤立死を防ぐには、そこへといたる孤独、孤立の状況を少しでも解消することが必要ですし、特に高齢者には見守りも重要になります。

日本の一歩先行くイギリスの孤独対策

コロナ禍により孤独や孤立の問題が深刻化する中、国もその対策に乗り出そうとしています。
政府は内閣府に対策室を設け、これから具体的な支援策を検討していく予定です。これに対し、孤独・孤立への取り組みを行なっているNPOなど民間の団体からは官民連携の強化を要望する声があがっています。

その一方で、一歩先行く取り組みをしている国があります。
イギリスでは、すでに2018年に孤独担当大臣のポストを設け、官民共同で孤独・孤立対策を進めてきました。
コロナ流行以降はロックダウン(都市封鎖)が繰り返される中、これまでにないほど多くの人が孤独感に悩むようになり、官民あげての支援が拡大しています。
その支援策として、例えば、各地の図書館が、孤独感を減らす効果があるとされる電子書籍のインターネットを通した貸し出しサービスを広げています。
また、多くの民間の慈善団体がダンスや運動、語学などのオンライン講座や、電話で話すなどの活動をしており、政府はこうした活動への資金援助を行っています。

日本の孤独や孤立への支援、サービスは

イギリスに比べると、官民連携の遅れが感じられるものの、以前から日本では厚生労働省が孤独などの悩みを抱える人のために相談窓口を紹介するサイトを設けています。
こちらのサイトから、相談したい内容に応じ、さまざまな公的機関や民間NPOなどに電話やSNSでアクセスすることが可能です。
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/

また、簡単に行き来ができず、見守りがむずかしいいま、離れて暮らす高齢の家族が孤独を感じていたり、孤立していないか、心配している人も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、まず高齢者本人が暮らす地元の市区町村(福祉課など)や地域包括支援センター、民生委員などと連携しておくことが大切です。
しばらく連絡が取れないがすぐに行くことができないときに備えて、こうした機関と安否確認や見守りについて相談しておきましょう。

これらに加え、本人の近隣の人に声がけしておく、民間の駆けつけサービスを利用するなどの方法もありますが、離れていても見守りができるITによる見守りシステムもおすすめです。

ITによる見守りシステムの活用も

「いまイルモ」は、人感、照度、湿度、温度などの多機能センサーによって高齢者を24時間見守るシステム製品です。
特別な工事は必要なく手軽に設置でき、見守り対象者の自宅での日々の様子をモニタリングし、見守る側はいつでもどこからでもスマホなどで安否確認ができます。
また、「いまイルモ」は見守り対象者のふだんからの行動をデータ化し蓄積します。
そのため、生死を見守る他のシステムとは異なり、リスクの兆候をみつけることも可能です。

高齢社会に加えてコロナ禍のいま、高齢者の孤独・孤立問題への官民あげての対応が急がれます。
個人のレベルでも、見守りシステムなどいろんな方法を活用して、孤独・孤立の不安を減らしていきましょう。

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