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防災セットには何を揃えればいい? 高齢者向け日常備蓄のポイントは?

高齢者問題

大震災から10年、今後も続く余震の可能性

東日本大震災から10年目を迎えようとするこの時期、再度、東北地方にマグニチュード7を超える強い地震が起きました。
地震の被害にあわれた方には心よりお見舞い申し上げます。
気象庁の発表では、この地震は東日本大震災の余震とみられています。
気象庁や専門家らによると、巨大地震のあとは大きな規模の余震が長年にわたって発生することがあり、これから10年ほどの間に大規模な余震が東北から関東地方にかけて起きる可能性があるようです。

地震大国であるこの国では、いつでもどこでも大きな地震が起きてもおかしくありません。
今回の地震で、そのことを実感した人も多いのではないでしょうか。

在宅避難に欠かせない日常備蓄

一方で、建築物の耐震技術や私たちの防災意識も年々向上しています。
そのようなこともあってか、近年では地震などの被災時、自宅に被害がなければ在宅避難になるケースが増えてきました。
高齢者で避難がしづらいといった場合、住み慣れた自宅で安全に過ごせるのであれば、在宅避難の方がストレスも少なく過ごせるかもしれません。

しかしながら、大規模な地震や台風のとき、水道・ガス・電気といったライフライン、また物資を供給するための物流網が広い範囲で止まってしまうことがあり得ます。
こうした場合、命が無事であっても、飲食物が入手・調理できない、トイレが使用できないなどの問題が過去の災害時にも起きました。自宅が無事で、地元に二次災害の恐れがない場合は、自宅で避難をしながらライフラインの復旧や物資の供給が再開されるまで、家族の生活を持ちこたえられるための備えが必要です。

そのために欠かせないのが各家庭における食料や日用品の備蓄です。国や自治体では、家族全員が最低3日から1週間を目安に持ちこたえられる量の備蓄を推奨しています。
しかし、これだと、けっこう大きな備蓄量になりそうですね。
そこで、最近注目されている「日常備蓄」をご存知でしょうか?

日常備蓄とローリングストック法

非常時に備えて防災セットを用意しているご家庭は多いと思います。
そのセットの中身は非常持ち出し品や非常食など、あくまで災害時に非常用という意識ではないでしょうか? これに対し、日常備蓄とは、日常的に使用している・飲食しているものを、つねに少し多めになるようストックすることです。
ふだんから食べ慣れない乾パンなどを非常食として用意するのではないので、これから防災セットを用意しようとする人も気軽に取り組めます。

日常備蓄の具体的な方法は、いつもの食品や日用品を少し多めに買って保管し、賞味(消費)期限の早いものから使い、なくなった分を買い足すようにします。
これでつねに一定量の食品や日用品を自宅にストックできるわけです。この方法をローリングストック法といいます。

日常備蓄って、何がどれくらいあればいい?

では、実際に日常備蓄として、どのようなものをどれくらい備えておけばいいのでしょう? 成人2人、1週間を目安とした一般的な例では、次のようになります。

<必需品>
・水(飲料+調理用): 2?のペットボトル24本(1人3 ?/1日)
・カセットコンロ+カセットボンベ12本

<主食>
・米:4kg
・カップ(インスタント)麺:6個
・パック(レトルト)ご飯:6個
・乾麺(そうめん、パスタなど):900g
・レトルト食品(カレー、パスタソースなど):24食分
・肉や魚の缶詰:18缶

<副菜(適宜あれば便利なもの)>
・日持ちする野菜(たまねぎ、根菜類など)
・野菜ジュース(野菜不足を補える)
・のり、乾燥わかめ、梅干し、つけものなど乾物や保存食品
・塩、しょうゆ、砂糖、めんつゆなど調味料
・インスタントの味噌汁やスープ類
・チョコレート、ビスケットなどの菓子類

<生活用品(なくなる前に買い足す)>
・ゴミ袋
・トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ
・食品用ラップ
・乾電池
・使い捨てカイロ
・使い捨てライター
・常備薬、救急キット
・マスク、消毒液

高齢者に配慮した日常備蓄とは

以上はあくまでも一般的な目安です。家庭や個人ごとのさまざまな事情により、備蓄するものが違ってきます。
特に高齢者には、持病や身体機能の低下がある人も多く、病気や障害に配慮した食品などの備蓄が必要です。
例えば、次のようなものの備えを忘れないようにしましょう。

<病気などに配慮した食品>
・高血圧、糖尿病、脂質異常症の人向け:一般成人と同じ備えで献立を工夫する
・腎臓病の人向け:減塩、低たんぱく、低カリウムの加工食品など、いつも使っている治療用食品を最低2週間分ストックし、食べた分を買い足す
・嚥下障害、噛む力の弱い人向け:購入の際は「ユニバーサルデザインフード」の表示を参考に、レトルトなど保存の効く介護用食品を買い置く

<医薬品など>
・常備薬、処方薬(定期的に治療・投薬を受けている場合は1週間ほど余裕を持って受診し、薬を多めに確保しておく)
・補聴器(使用している場合)+補聴器用電池
・義歯(使用している場合)+義歯洗浄剤

非常用品も加えてわが家の防災セットを

こうした日常備蓄に加え、日常的にはあまり使わないものの、非常時に役立つものとして以下のようなものも備えておきましょう。このうち、機器類は定期的な作動チェックをおすすめします。 ・懐中電灯やヘッドランプ ・簡易トイレ ・電池式や充電式のラジオ ・携帯電話用の電池式やソーラー式充電器 ・ラッテクスやプラスチック製の使い捨て手袋 家にある日常使いのものを見直すと、意外と多くの食品などがあるものです。これに何をどれくらい買い足せば3日から1週間分になるか考えるところから、日常備蓄を始めてはいかがでしょうか。また、非常用品の備えも大事です。以上を参考にわが家の防災セットを揃えてみてください。 ▼災害と高齢者問題 見守りとマイタイムライン
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