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最悪は孤独死! コロナ禍で懸念される高齢者の社会的孤立とは

安否確認

いま、心配される高齢者の社会的孤立

新型コロナウイルスにより私たちの暮らしは大きく変わってしまいました。
感染を防ぐために、マスクの着用、あらゆるものの消毒に加え、人との接触を避けることが日々求められています。感染拡大の収束のメドが立たないまま、コロナ禍において懸念されているのが「社会的孤立」の深刻化です。

社会的孤立は心身にネガティブな影響を与え、最悪は孤独死にもつながります。
コロナ禍では特に高齢者にとって深刻な問題と考えられます。
社会的孤立とはどのようなものか、またこれを防ぐための取り組みについて紹介します。

社会的孤立とは、どのようなものか

そもそも「社会的孤立」とは、どのような状態をいうのでしょうか?
シンプルにいうと、社会的に孤立した状態ですが、詳細な定義については、福祉などの専門家の間では共通して次のように認識されています。「ある人にとってソーシャルニーズを充足させるための社会的なつながりが欠如した状態」です。
ここでいう「ソーシャルニーズ」とは、日々の生活での困りごと、困りごとや悩みについての相談の必要性、非常時の支援、お正月などに一緒に過ごす相手がいない、などです。これらのことについて、援助や相談を必要としているのに、得られていない、また援助や相談に応じてくれる人がいない、といった状態が社会的孤立といえるでしょう。

誰でも普通に生活していくなかで、医療や介護サービス、掃除や買物などの家事の手伝い、ちょっとした相談や話をする相手が必要になる場面があり、高齢になるほど、そうしたサポートの必要性が高くなります。
とはいえ、コロナ禍の現在、どうしても人と会うことが制限されてしまい、孤立におちいる人が増えていると考えられます。
また、実際に孤独を感じているかどうかで深刻さも異なります。孤独感は、ストレスや不安感、認知機能の低下にもつながるような、大きな精神的ダメージを与えることがあるからです。

コロナ禍でしのびよるもう一つの命の危機

ある調査によると、認知症や他の精神障害のある高齢者のうち6割以上が、ソーシャルディスタンスの対策以降に社会的孤独が強まり、認知症高齢者のおよそ半数に症状の悪化や認知機能の低下がみられたということです。
また、認知症以外の精神障害のある高齢者の半数以上も状態が悪化しています。
さらに、コロナ感染拡大に関連して、不安障害やうつ病などの精神障害の新たな発症や増加もありました。

加えて、このコロナ禍では、医療体制のひっ迫などから、高齢者が従来どおりの医療や介護のサービスが受けられない、コロナに感染し入院が必要な一人暮らしの高齢者が自宅待機を余儀なくされるケースも発生しています。
このような状況のもと、孤独死の増加が懸念されます。新型コロナウイルスが私たちの命を脅かしているいま、孤独による、また別の命の危機がしのびよっているのです。

社会的孤立を防ぐ高齢者にやさしい取り組みとは

高齢者を孤独死させないためには、まず社会的孤立を防ぐ必要があります。そのためには、何をすればいいのでしょうか?
特に、一人暮らしをしている高齢の家族がいる人は心配だと思います。ここで、コロナ禍における高齢者の社会的孤立を防ぐ、ある地域での取り組みをご紹介しましょう。

<大阪府豊中市の取り組み>
豊中市では、地域の高齢者を孤立させないことを目指し、社会福祉協議会と住民ボランティアと共同で、食事会などのイベントや共同農園などの活動を行ってきました。
しかし、2020年2月以降、コロナの感染対策のためにこうした活動ができなくなり、地域の高齢者とのつながりをどう保つか模索するなかで、地区の社会福祉協議会のスタッフが「往復はがき」を使った安否確認の取り組みを行っています。
2020年4月、地元の一人暮らしの高齢者38人に往復はがきを郵送したところ、36人から反応があったとのことです。
返信のはがきには、近況やコロナ禍での生活の不安などが書かれていました。往復はがきを受け取った高齢者には、はがきが届いたことをうれしく思う人もいたり、自分のことを気にかけてくれている人がいることがわかり安心感につながっているようです。
IT全盛の時代にはがきとは意外なアイデアかもしれませんが、高齢者にはネットやメールの苦手な人も多く、高い返信率をみると、アナログなはがきの方が、高齢者にやさしい方法といえます。
往復はがきなら、電話のように時間を気にせず、詳しく近況や相談事を書いて返送することができますし、返送用のはがきをポストに投函しに行くのもちょっとした散歩になり、気分転換にもなるでしょう。

アナログとデジタルの見守りを組み合わせて

離れて暮らす高齢の家族がいても、このコロナ禍では思うように顔を見に行くことができないという人もいるでしょう。
その場合、この往復はがきを使った方法で安否確認をしてみてはいかがでしょう? 費用も手間もさほどかからない手軽な方法ながら、特に手書きのはがきなら、顔が見えなくても暖かさが感じられることでしょう。このようなアナログなやり取りをするのに加えて、ITによる見守りを組み合わせるとより安心です。

ITを活用した高齢者見守り製品にはさまざまなものがありますが、複合センサーを使用した「いまイルモ」なら、見守りカメラのように、見守り対象者に「見られている」ことを感じさせません。そして、見守る側は、いつでも、どこからでも、スマホやパソコンから24時間見守ることが可能です。

孤独という脅威にも立ち向かわなければならないウイズコロナの時代ですが、アナログやデジタルのできる方法を駆使して、高齢者を孤独から守っていきましょう。

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