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緊急事態宣言ふたたび発令!コロナ変異種にも要注意

高齢者問題

2度目の緊急事態宣言下で懸念されること

日本国内で新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年が経ちましたが、感染拡大が収まりません。
世界中で流行の第3波が猛威をふるい、国内でもついに東京や大阪など大都市を中心としたエリアに2度目の緊急事態宣言が発出されました。一部の国ではワクチン接種が始まっているものの、イギリスなどでは、感染力が増したという新型コロナウイルス変異種も発見され、世界的な懸念事項になっています。

今回の感染拡大は第2波のときとは異なる様相を示しており、特に高齢者は注意が必要だといわれています。この第3波が第2波とどう違うのか、また、気になるコロナ変異種の話題など、コロナ関連の最新情報をお伝えします。

新型コロナ流行の第3波、第2波とはどう違う?

新型コロナウイルスの第2波は、2020年7月初頭から主に東京を中心に広がりました。
8月上旬には、日本全体で1週間あたりの平均で1300人以上の人が新規に感染し、これがピークとなりました。感染者が増えはじめてから、1カ月程度でピークにいたっています。

これに対し、第3波は同年の10月下旬から拡大が始まったとみられます。この時期まで500人程度だった新規感染者数が2週間後の11月17日には1700人を超えました。この週の平均でも約1400人となっており、第2波のときの2倍に相当する、とても速いスピードで感染が拡大していることになります。

また、第2波と第3波では、感染者の年代による特徴にも違いがみられます。東京の例を見ると、第2波のときには、感染者全体の70パーセント以上を30歳代以下の人たちが占め、60歳以上の高齢者の割合は8パーセントでした。これが、第3波では、60歳以上の占める割合が17パーセントに達し、第2波のときの2倍を超えています。これに次ぐような形で、50歳代、40歳代の感染者も増加しています。

感染者の高齢化が進んでいるということです。高齢者が新型コロナウイルスに感染すると、他の世代よりも重症化しやすく、また致死率も高いことは以前から指摘されていました。そうしたこともあってか、重症者と死亡者の数も日ごとに増え続けています。

このように、非常に速いスピードで重症化リスクの高い人への感染が拡大しているのが第3波の特徴ですが、これによって懸念されるのが医療のひっ迫です。重症患者が増え続けていることから、東京全体ではコロナ感染症に対応する病床の使用率が満床を超え医療崩壊の危機にさらされています。各地でも、感染が判明し入院や療養施設への入所が必要ながらも自宅待機を余儀なくされる人も続出しています。

自宅療養中に病状が急変し亡くなるケースも報告され、緊迫した状況にあるといえます。この状況を少しでも改善するには、高齢者の感染を抑えることがカギになるでしょう。

気になるコロナ変異種の感染力は?

加えて、心配なのがウイルスの変異種です。本来、どのようなウイルスでも変異するのはよくあることです。
ウイルスは何らかの生物の細胞に入り込み、自身の遺伝情報をコピーしながら増殖します。この過程でたまたまミスが起きることで、遺伝情報が少し書き換えられたものが変異種です。
これまでに新型コロナウイルスもおよそ2週間ごとに変異をくり返してきたといわれますが、ウイルスの性質そのものに大きな変化はありませんでした。
ところが、今回イギリスで流行しているコロナ変異種は、人間の細胞に侵入する際に大きな役割をするウイルス表面のスパイク状の突起部分が変化したものとみられます。
これはウイルスの感染力に大きく関わる変異ですが、イギリスではこの変異種の発見時に感染者が急増しました。

また、イギリスのデータでは、この変異種の感染力は最大で従来の1.7倍と推計されていますが、感染拡大の時期と変異が偶然重なっただけの可能性も指摘されています。一方、いまのところ、この変異によって感染後の重症化率や致死率が高くなったというデータはありません。
しかしながら、ウイルスの毒性(重症化率や致死率の高さ)が変わらなくても、感染力が強いのであれば、重症者が増えることなり医療への負担も増えます。
イギリスで出現したコロナ変異種はヨーロッパの複数の国でも見つかっており、南アフリカではこれとは別の変異種も発見されました。
国内でもイギリス型の変異種による感染が確認され、変異種の流入を防ぐ水際対策の強化として、政府は緊急事態宣言を解除するまでの期間、原則、外国人の入国を全面的に停止しています。

さらに、現在、海外で接種がはじまっているコロナワクチンがこの変異種にも対応できるのかも気になるところです。
ドイツのビオンテック社によると、同社がファイザー社と共同で開発するワクチンに関しては、変異種への効果がない可能性は低いとしています。

基本に立ち返り、感染対策の徹底を

コロナ変異種はすでに日本でも流行していたり、国内でウイルスが同様に変異する可能性もあります。
しかしながら、専門家によると、変異種であっても感染対策の基本は同じです。ウイルスが人間に感染しやすく変異しても、誰もが感染予防の対策をしっかり行えば、ウイルスは人間の細胞に侵入するチャンスを失い増殖できなくなります。

いまこそ、コロナ感染予防の基本に立ち返り、手洗い・手指の消毒やマスクの着用、不要不急の外出は控える、3密と大人数の会食を避けるのに加え、少人数の会食でも飲食時以外はマスクを着用することなどを徹底しましょう。
それが、高齢者を感染から守ることにもつながります。
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