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新型コロナとインフルエンザの同時流行? 高齢者はインフル予防接種が必須!

高齢者問題

冬にウイルスが活発化する新型コロナとインフルエンザ

毎年、寒くなってくるとインフルエンザへの注意が呼びかけられますが、今年は新型コロナウイルス感染にも備えなければいけません。
この両方のウイルスともに、寒く、空気が乾燥した環境で活発化しやすいため、この冬はこれら2つの感染症の同時流行が懸念されています。

同時流行に向け、家庭では何に気をつければいいのでしょうか?
どちらの感染症も高齢者や基礎疾患のある人がかかると重症化しやすいことがわかっています。
高齢者には基礎疾患となる持病をかかえる人も多く、高齢の家族がいる家庭では対策が欠かせません。新型コロナウイルスとインフルエンザの流行が重なったら、どのようなリスクが考えられるのか、また、同時流行に備えて、私たち自身でやっておきたいことについてお伝えします。

心配される医療体制のひっ迫

新型コロナとインフルエンザの感染拡大が同時に起きた場合、どのようなことが問題になるのでしょうか?
まず、考えられるのが医療体制のひっ迫です。2020年初頭から春にかけての新型コロナ感染拡大では、全国の医療機関と関係者への大きな負担となりました。
新型コロナ感染症の感染対策には特別な配慮が必要なことから、患者ひとりに対して多くの人手や労力が割かれます。当時は治療法や感染対策が確立していなかったこともありますが、院内感染の発生によって一時閉鎖となった病院もありました。

冬に向け、新型コロナ感染の再拡大の可能性がありますが、これに加え、インフルエンザの患者も増加すれば、医療機関への負担は限りなく増大し医療崩壊の危機にもつながります。そうなると、感染症だけでなく他の病気やケガなどで必要とする人が医療を受けられないといったことも起こりえます。

こうした深刻な事態を防ぐには、両方の感染症の患者の増加を抑えることが必須でしょう。それには、国や自治体による制度も必要ですが、私たち一人ひとりが予防につとめることも大切です。

新型コロナとインフルエンザの同時感染もある?

また、新型コロナとインフルエンザ、両方のウイルスが活発化する季節に向けて不安になるのが同時に感染する可能性ではないでしょうか?
事例数は少ないですが、すでに同時感染の事例が海外および国内でも報告されています。
そのケースのほとんどが高齢者か高血圧などの基礎疾患を持つ人でした。

新型コロナとインフルエンザそれぞれのウイルスによる感染症は、実は、まったく異なる病気です。
そのため、短い間に両方のウイルスに触れたことがあれば、同じタイミングで症状があらわれることがあります。
ここで、気になるのが、どちらか片方だけに感染した場合よりも重症化するのではないかということですが、これについては、まだ症例が少数なためわかっていません。

この冬もし症状が出たら、どうすればいい?

とはいえ、新型コロナとインフルエンザが同時に流行すれば、両方に感染する可能性が増えますし、やっかいなことに、違う病気でありながら、症状の多くが共通しています。
初期には、いずれも発熱、喉の痛み、せき、倦怠感などが見られますが、これだけで、どちらか、あるいは両方に感染しているのか自分で判断するのはほぼ不可能です。
また、重篤化を防いで効果的に治療を行うには、早い時期に病名を特定することが必要です。

こうしたことから、厚生労働省では、新型コロナとインフルエンザの同時流行に向け、両方の感染の同時検査をできる指定医療機関を増やし、相談・検査の体制を変える方向にあります。
これまでは、新型コロナの検査を希望する場合、保健所への電話相談が原則でしたが、今後は、インフルエンザの可能性も含めかかりつけ医に電話で相談になります。
検査を含め、かかりつけ医で対応できる場合は予約して診察、対応できない場合は対応可能な医療機関を紹介、といった流れです。かかりつけ医がない場合は、保健所などが相談を受けつけます。

インフルエンザの予防接種でリスクを減らそう

このように国や医療機関でも、新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えた動きがありますが、どちらに感染しても、やはり医療体制に負担をかけることになります。
自分の命を守るためにも、どちらにも感染しないに越したことはありません。
新型コロナとインフルエンザの感染対策はほぼ同じですから、3密を避け、マスクの着用、手洗い、手指の消毒などの基本の感染対策を確実に行っていきましょう。

加えて、有効とされているのがインフルエンザワクチンの予防接種です。
新型コロナ感染症は高齢者にとって命を脅かすもので、ワクチンもまだできていませんが、インフルエンザはワクチンの接種で重症化を抑えることができます。
ワクチン接種はインフルエンザの最も有力な予防法といえるでしょう。より多くの人がインフルエンザの流行を防ぐために予防接種をすれば、新型コロナと同時流行するという最悪のシナリオは防げるわけです。自分の命を守る行動が家族や友人・知人の命を守ることにつながるのです。

国や自治体では、重症化しやすい高齢者の優先的な接種を勧めていて、自治体によっては、高齢者は無償で接種が受けられます。ワクチン接種から抗体ができるまで、およそ2週間かかりますが、1月中旬が流行のピークと予想されていることから、遅くとも今年中の接種をおすすめします。
ただし、持病や体質によりワクチン接種に不安がある場合は、事前にかかりつけ医に相談してください。

2つの感染症の同時流行という初めての事態が予想されるなか、インフルエンザだけでもできる限りコントロールし、リスクを減らしていきましょう。

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