関連ワード

高齢者問題を考える 生活不活発病など新たな問題が

高齢者問題

ニューノーマル時代の高齢者問題とは

世界中で新型コロナウィルス感染症の流行が続いています。感染しても多くの場合は無症状や軽症で済むといわれていますが、60歳代以上の高齢者は重症化しやすく致死率も高いため注意が必要です。超高齢社会である日本では、新しい生活様式の中で高齢者の感染対策の徹底が求められます。

誰もが新しい生活様式を続けていく、いわゆるニューノーマル時代となったのですが、ここで新たな高齢者問題が浮上しています。
この時代特有ともいえる健康被害「生活不活発病」の多発が懸念されているのです。
生活不活発病は生活習慣や環境の変化によって起こることが多く、高齢者にとって健康や生活上のさらに深刻な問題につながる可能性もはらんでいます。
生活不活発病に代表される、これからの高齢者問題について考えます。

実は、以前からあった生活不活発病

まず、「生活不活発病」とはどのようなものでしょうか?
生活不活発病は、体を動かさない(不活発な生活)状態が続くことにより、精神や身体の機能がおとろえ、動けなくなったり、うつ状態になるというものです。

新型コロナウィルス感染を防ぐために、外出や人に会う機会を減らしている高齢者が多いと思います。ウィルスから命を守るためにはやむを得ないことですが、自宅に引きこもりがちになると、生活が不規則になり、運動不足になりやすいものです。また、人との関わりが減ると、さびしく感じたり、精神的につらくなることもあります。
これを生活不活発な状態といい、この状態が続くと身体や認知機能が低下し、生活不活発病となってしまいます。
こうしたことから、感染対策としての自粛ぎみの生活で生活不活発病が起こりやすいことがわかりますが、実は、この病気は以前から認識されていました。2004年の新潟県中越地震以来、地震などの災害時に生活不活発病が多く発生することが、行政や医療関係者の間で知られるようになったのです。災害のため避難生活をしたり、生活環境が変わると、いろんな活動が制限されます。
趣味やスポーツ、人づきあいなどの機会も減ってしまうため、生活が不活発になりがちです。そこで、大きな災害が発生した地域では、行政などにより生活不活発病を予防する取り組みが行われてきました。
このように生活不活発病の多発は、これまでは災害が発生した地域での限定的な課題でしたが、新型ウィルスの流行は全国的なもの。感染対策をする限り、その影響による生活不活発病は日本じゅうどこででも起こりえます。

生活不活発病の要因は上述の通りですが、特に高齢者と基礎疾患のある人はこの病気になりやすく、悪循環におちいりやすいといわれています。悪循環とは、例えば、生活不活発病になることで歩くのが困難になると動きづらくなりますが、動かないことで、さらに生活不活発病が悪化していくことです。この悪循環の先に待っているのは、フレイル(要介護に近い状態)や要介護状態といっていいでしょう。
介護が必要な状態になると、本人にとっての生活の質は低下しますし、周囲の家族にも大きな負担となります。
そのため、高齢で、特に基礎疾患のある人は、しっかりと生活不活発病を予防することと、もし発症しても早期に発見し早期に対応することが重要です。

生活不活発病を予防しよう

では、どうやって生活不活発病の予防や発見をすればいいのでしょうか?
生活不活発病の予防のポイントは、基本的には日常的に健康を保つためのことと大きくは変わりなく、毎日の暮らしの中で体を動かすことが中心になります。自粛ぎみの生活ではむずかしく思えるかもしれませんが、次のポイントを参考にしてみてください。

・1日あたり合計40分以上(65歳以上の場合)体を動かしましょう。
運動の強度は問わず、どんな動きでも、こまぎれの時間でもかまいません。家事も運動と考えれば、家庭での自分の役割を持つことで、活発に生活でき、達成感も得られます。家にいる時間が長くなると座っている時間も長くなりますが、座ったままできる運動も意外とたくさんあります。テレビやラジオの体操番組を活用するのもいいでしょう。

・食事は1日3食きっちり食べましょう。動かないからお腹がすかない、つい間食してしまうといった食習慣はよくありません。
適度に体を動かして、3食おいしく食べることが大切です。

・間接的にでも人と交流を持ちましょう。人と会う機会が減ると気分が落ち込みやすくなります。電話やメールを活用して、家族や友人とつながるようにしたいですね。

・気分を明るく保つために、自宅でできる趣味の活動に取り組みましょう。

生活不活発病の早期発見のためには、厚生労働省がチェックシートを公開しています。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000122328.pdf

生活不活発病の予防には周囲の配慮も大切

生活不活発病は、身体機能の低下だけではなく、生きがいや人との交流といった精神面へのダメージも含みます。
そうしたことを考えると、高齢者が生活不活発病にならないようにすることは、孤独や介護負担などの他の高齢者問題を防ぐことにもつながります。
また、そのためには、本人の意識だけでなく、周囲の人たちの配慮も大切です。
例えば、家の中でできる運動の方法をネットで検索して教えてあげる、離れて暮らす家族が定期的にメールや電話をするといったことです。
コロナ禍の高齢者の生活をどう見守りサポートするか、本人も交えて家族で話し合うのもよいのではないでしょうか。

▼高齢者問題を考える 生活不活発病など新たな問題が
▼ニューノーマルって何? コロナ後に変わる高齢者の生活
▼コロナと熱中症! 初期症状が似ているってホント?
▼高齢者問題にどんな影響がある?「新しい生活様式」とは
▼コロナとひきこもる高齢者一人暮らし ささやかれるフレイルへの心配
▼認知症で匂いがわからない? コロナの初期症状と間違えないように
▼オーバーシュートとは? コロナの拡大で高齢者見守りに一層の危機感
▼パンデミックとは? コロナウィルスで高齢者が危険に
▼新型コロナウィルスに警鐘 SARSの経験から学ぶ高齢者の予防対策

その他のおすすめ記事

  • ニューノーマルって何? コロナ後に変わる高齢者の生活

  • 高齢者問題にどんな影響がある?「新しい生活様式」とは

    高齢者問題にどんな影響がある?「新しい生活様式」とは

見守り支援システム「いまイルモ」

キーワード