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認知症で匂いがわからない? コロナの初期症状と間違えないように

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匂いや味がわからないと新型コロナウィルス感染症?

新型コロナウィルスの感染拡大が続くなか、有名人の感染も報告されています。
このウィルス感染症の初期には、発熱やせきなど風邪のような呼吸器症状がみられることがあります。
最近では、プロ野球選手が、他に目立つ症状がないものの、匂いや味がわからないといったことから、PCR検査を受けたところ新型コロナウィルスに感染していることがわかり、嗅覚や味覚の異常がコロナ初期症状として注目されています。

新型コロナウィルスは感染しても多くの割合で無症状か軽症で済むといわれる一方で、中国のデータなどからは、高齢者が感染すると重症化しやすいこともわかっています。
特に高齢者本人や高齢者のいる家庭では感染防止に力を入れたいものですが、万一感染した場合に備えて初期症状にも気をつけたいところです。
匂いや味がよくわからなくなった状態をそれぞれ嗅覚障害、味覚障害といいますが、このような症状があらわれたら、コロナ初期症状と考えた方がいいのでしょうか?

実は、年齢にかかわらず、嗅覚や味覚の障害は新型コロナウィルス感染によるものとは限りません。
また、高齢世代の場合、嗅覚障害が認知症の初期症状である可能性もあります。

今回は、高齢者にとって気になる嗅覚や味覚の障害について考え、こうした症状があらわれたときの対応についてもお伝えします。

新型コロナ感染で嗅覚や味覚の障害が起きる理由

世界じゅうで、新型コロナウィルス感染によって匂いや味がわからなくなるという症状が相次いで報告されていますが、今のところ、なぜ嗅覚や味覚の異常が起きるのか詳しい理由は解明されていません。
医療関係者によると、鼻とのどの比較では、このウィルスはより多くが鼻で増殖することから、鼻の奥にある匂いを感じる細胞がウィルスに感染することにより、嗅覚に異常が起きるのではないかと推測されます。

しかしながら、通常の感冒(風邪)をはじめとする他の病気によっても、一過性の嗅覚障害が起こり味覚にも影響することがあります。また、何らかの原因で嗅覚障害になった人のおよそ半数が味覚障害も経験するといわれています。

新型ウィルスによるこうした症状の特徴についての詳細や他の病気による同様の症状との差異がわかってくれば、新型ウィルス感染を判定する手がかりになると考えられます。

嗅覚障害を起こす病気はこんなにある

匂いを感じるのは、鼻孔(鼻の穴)から入った匂い物質を含む空気が鼻腔(鼻の内腔)の嗅粘膜に付着し、信号として嗅神経を通して脳に伝達されるといった経路によるものです。
この伝達経路のどこかがダメージを受けることで嗅覚障害が起きますが、ダメージの場所によって障害のタイプが異なり、大きくは「呼吸性」「抹消性」「中枢性」の3つに分類されます。
この分類をもとに、新型コロナウィルス以外の嗅覚障害が起きる可能性がある病気をご紹介しましょう。

<呼吸性嗅覚障害>
鼻関連の病気のために、匂い物質を含む空気が嗅粘膜に到達しないために起きる。
原因:風邪、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など

<抹消性嗅覚障害>
嗅粘膜や嗅神経が障害され変性することによるもの。
原因:インフルエンザ、慢性の副鼻腔炎、頭部外傷など

<中枢性嗅覚障害>
脳の障害により、匂いに関する情報をうまく処理できず匂いの判別ができなくなる状態。
原因:頭部外傷、脳腫瘍、アルツハイマー病、パーキンソン病など

認知症の初期症状で匂いがわからないことも

新型ウィルスの感染症以外にも、このように嗅覚障害の原因となる病気がたくさんあります。
ここで、気に留めておきたいのが、高齢者の場合、認知症の初期症状で嗅覚の低下や異常が起こり得ることです。
上述のように、高齢世代に多いアルツハイマー病やパーキンソン病が中枢性嗅覚障害の原因になることがあります。

アルツハイマー病は日本人の認知症の原因疾患として最も多くを占めますが、このタイプの認知症では、ごく初期から何の匂いかを判別する能力が衰えることが認められています。
また、近年、認知症と嗅覚の関係についての研究が進み、レビー小体型認知症の初期にも嗅覚低下がみられることがわかってきました。レビー小体型認知症は、認知症全体の約2割を占めていますが、有名なアルツハイマー型と比べて認知度が低く、対応できる医師も少ないのが現状です。
大脳皮質の神経細胞内に特殊なタンパク質の一種(=レビー小体)が付着し、特定の神経細胞が減少することによって起こります。
アルツハイマー型認知症は女性に多く起こりますが、こちらは男性に多く見られ、男性患者が女性の2倍存在します。

さらに、MCI(軽度認知障害)の段階から嗅覚異常が起こることもあり、MCIで嗅覚障害がある人は、2倍以上の高い確率で認知症に進むといわれています。
(MCIについては詳しくはこちらをご覧ください
https://www.imairumo.com/anpi/article/20180730a.html
認知症の進行を遅らせるには、早期発見・早期治療が欠かせません。
このことから、認知症の初期症状としての嗅覚異常は早期発見の有効な手がかりになるといえます。

嗅覚や味覚の異常を感じたら、どうすればいい?

嗅覚障害を改善するには原因となっている病気の治療が必要ですが、実際には、風邪もしくはアレルギー性鼻炎などの鼻の病気によるものが多いようです。とはいえ、この時期、匂いや味の感じ方に異常があれば、どうすればいいのでしょうか?

日本耳鼻咽喉科学会の指針によると、嗅覚・味覚障害は、治療は急を要しないとされており、自然に治ることも少なくありません。
症状が嗅覚・味覚障害だけであれば、2週間ほどなるべく外出せずに自宅療養し、その後、他の症状がなく嗅覚や味覚が改善されない場合は耳鼻咽喉科外来への相談が推奨されています。
ただし、嗅覚・味覚障害に加え、37.5度以上の発熱やせきなど、新型コロナウィルス感染症を疑う症状がある場合は、「帰国者・接触者相談センター」(居住地域の保健所等)に相談しましょう。
(詳しくはこちらを参照
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q5-1

今後の状況により、この対応方針は変更される可能性があります。随時、厚生労働省のホームページなどをチェックするようにしてください。

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