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多剤服用が認知症につながる? サプリメントの取りすぎに注意?

高齢者問題

薬の飲み過ぎで認知症や寝たきりに!?

長寿社会のいま、長生きするならいつまでも元気でいたいものですね。とはいえ、高齢者には持病などのために、日常的になんらかの薬を飲んでいる人は多いものです。複数の疾患を抱えていることから、同時に複数の薬を処方されている人も少なくありません。

毎日を不安なく暮らしていくには、体調や病気をうまくコントロールすることが大切です。そのための薬ですが、最近では、たくさんの薬を飲む「多剤服用」によって起こる健康トラブルが注目されています。高齢者は多剤服用によって深刻な副作用が起きやすく、認知症や寝たきりにもつながることがわかってきたのです。

ここで、気になるデータがあります。厚生労働省の調べによると、65歳以上の約14パーセント、75歳以上の約25パーセントの人が6種類以上の薬を処方されています。65歳以上の7人に1人、75歳以上の4人に1人といった意外と多くの人が多剤服用をしていることになります。この人たちすべてが認知症など深刻な副作用のリスクにさらされているのでしょうか?

多剤服用によって有害な作用が起きることをポリファーマシーといいますが、多剤服用がつねにポリファーマシーになるとは限りません。薬本来の効果を得て健やかに暮らすには、正しく薬とつきあっていきたいものです。今回は、そのために注意したいことをお伝えします。

多剤服用が招くポリファーマシー

他の世代に比べて、高齢者には薬の副作用が出やすく重症化しやすいといわれています。たくさんの薬を飲んでいることも原因の一つですが、それだけではありません。歳を取ることで、薬の作用の仕方が違ってくることも関連します。

例えば、飲み薬を口から飲むと、胃などで吸収された後、血液によって全身をめぐり、ターゲットとされる組織に到達して効果をあらわします。その後、薬は少しずつ肝臓で分解されたり、腎臓を通して排出されることで効果も消えていきます。しかしながら、肝臓や腎臓の機能は加齢により低下します。そのため、高齢者は薬を処理するのに時間がかかり、薬の作用が強くなり過ぎ体に有害な影響を与えることがあるのです。

これが高齢者に薬の副作用が起きるメカニズムになりますが、薬が多くなれば、それだけ肝臓や腎臓への負担も増します。多剤服用によって、こうした有害な事象が起きることをポリファーマシーと呼んでいます。薬が多いと飲み間違いによるトラブルも起きやすくなりますが、これもポリファーマシーに含まれます。

こんな症状が出たら、ポリファーマシーかも?

では、具体的にどのような症状が起こるのでしょうか?
ふらつき、転倒、物忘れが高齢者に起こりやすい薬の副作用といわれています。
とりわけ5種類を超える薬を服用している高齢者の半数近くがふらつき、転倒を経験していることが報告されています。高齢者は骨がもろくなっているため、転倒すると骨折しやすい上に治りにくく、骨折をきっかけに寝たきりになったり、寝たきりから認知機能が低下し認知症になってしまうこともあります。

また、急激に物忘れがひどくなり医療機関で認知症と診断されたものの、詳しい検査をしたところ、多剤服用によることがわかったという事例がありました。このケースでは、原因と考えられる薬を減らすことで、症状は大幅に改善したということです。
この他に、高齢者に起こりやすい多剤服用による副作用の症状には次のようなものがあります。

・食欲低下
・排尿障害
・便秘
・せん妄(一時的な意識障害で、興奮あるいはボーッとしたりする)
・うつ

多剤服用をしている人でこのような症状があれば、ポリファーマシーを疑った方がいいかもしれません。

ポリファーマシー対策ではサプリメントも要注意

ポリファーマシーを起こさないためには、必要以上の薬を飲まないことが肝心ですが、自分の判断で必要かもしれない薬を止めるのは大変危険です。
やめてもいい薬や本当に必要な薬については、専門家による見きわめが欠かせません。
薬について何か疑問があれば、必ず医師や薬剤師に相談してください。また、かかりつけの医師や薬剤師には、飲んでいるすべての薬を伝えるようにしましょう。

ここで、気をつけたいのが、市販薬とサプリメント、健康食品も忘れてはいけないということです。サプリメントは健康食品に含まれ、あくまでも「食品」と定義され、体への効き目は薬のように強くはないのですが、健康に影響する何らかの成分が含まれていいます。
そのため、サプリメントや健康食品を複数あるいは大量にとったり、薬と併用することで、思いがけず健康トラブルを招くことがあるのです。
内閣府の調査によると、サプリメントの利用者のおよそ半数が2種類以上を利用し、年齢が上がるほど種類が多くなっています。
また、3割以上の人が処方薬といっしょに利用しながら、ほとんどの人がそのことを医師に伝えていません。これは、問題ですね。

薬の副作用を防ぐには、サプリメントや健康食品も含め自分が飲んでいる薬を自分で把握し、医師・薬剤師と共有することが重要です。
そこで、ぜひ活用したいのが「おくすり手帳」です。複数の医療機関に受診している場合でも、「おくすり手帳」を持つことで、すべての薬の履歴を一元的に管理することができます。お持ちでない場合は、かかりつけ薬局に相談してみてください。

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