意外! 嗅覚の衰えは認知症の初期症状かもしれない?
認知症見守り
最近注目される認知症初期症状
超高齢社会のいま、社会全体の課題となっている認知症。誰もがなりたくない病気です。一方で、認知症に関する研究も進み、近年は予防法や初期の段階で症状を改善する方法などもわかってきています。特に、これまで症状を遅らせることはできても改善は望めないとされてきたアルツハイマー病を原因とするアルツハイマー型認知症も、初期であれば改善できることがわかってきました。
つまり、認知症にならないためには、予防とともに初期症状に気づいて、治療につなげることが何よりも欠かせないということです。そのためには、認知症の初期症状にはどのようなものがあるのかを知っておきたいものです。
認知症の初期症状といえば、物忘れや怒りっぽくなった、家事や運転のミスが増えた、といったことがよく知られています。こうしたメンタルや行動面の変化に加え、最近、認知症の初期には意外な症状が見られることがわかりました。それは、嗅覚の変化です。
つまり、認知症にならないためには、予防とともに初期症状に気づいて、治療につなげることが何よりも欠かせないということです。そのためには、認知症の初期症状にはどのようなものがあるのかを知っておきたいものです。
認知症の初期症状といえば、物忘れや怒りっぽくなった、家事や運転のミスが増えた、といったことがよく知られています。こうしたメンタルや行動面の変化に加え、最近、認知症の初期には意外な症状が見られることがわかりました。それは、嗅覚の変化です。
嗅覚の変化による生活への影響とは
嗅覚は人間の持つ五感のひとつで、「においを感じる力」であることは誰もが知るところです。とはいえ、ほとんどの人が「嗅覚を使うこと」を意識せずに、日々の生活の中で、さまざまなにおいを感じているのではないでしょうか。実はこの嗅覚は、人間にとってとても大切な感覚なのですが、ほとんどの場合自覚することなく、20代を過ぎた頃から加齢により衰えていきます。
「においをあまり感じなくなっても、生活にはさほど影響しないのでは?」と思うかもしれませんが、それが意外な影響につながるのです。例えば、においがわからないと、好きな食べ物を食べてもよく味わうことができません。こうしたことが続くと、食欲がなくなり、病気をしやすくなるといった悪循環におちいる可能性があります。病気がちになると、趣味などの活動への意欲も低下するでしょう。
加えて、「趣味のガーデニングで育てた花のにおいがわからない」、「好きなコーヒーの香りがしない」といったことを想像してみてください。これでは日々の暮らしが味気ないものになってしますし、認知症予防の上でも良くありません。
「においをあまり感じなくなっても、生活にはさほど影響しないのでは?」と思うかもしれませんが、それが意外な影響につながるのです。例えば、においがわからないと、好きな食べ物を食べてもよく味わうことができません。こうしたことが続くと、食欲がなくなり、病気をしやすくなるといった悪循環におちいる可能性があります。病気がちになると、趣味などの活動への意欲も低下するでしょう。
加えて、「趣味のガーデニングで育てた花のにおいがわからない」、「好きなコーヒーの香りがしない」といったことを想像してみてください。これでは日々の暮らしが味気ないものになってしますし、認知症予防の上でも良くありません。
実はとても大切な感覚
これだけでも嗅覚は重要な感覚であることがわかりますが、近年の研究により、においが脳の記憶や感情を機能させる部分を直接刺激することも解明されています。何かを記憶したり、感情をコントロールすることは、日々の生活をスムーズに営む上で欠かせません。これらの機能に直接関係する嗅覚は、五感の中でも非常に大切な感覚だといえますね。
嗅覚と行動が関連づいた事例も報告されています。例えば、「洗剤の香りで、洗濯しないといけないことを思い出した」といった経験がある人もいるでしょう。
また、認知症になると記憶障害が起きたり、感情がコントロールできなくなります。このことから、嗅覚と認知症との関連もうかがえますが、さらに、嗅覚は時間や空間の認知にも関係しているといわれています。
嗅覚と行動が関連づいた事例も報告されています。例えば、「洗剤の香りで、洗濯しないといけないことを思い出した」といった経験がある人もいるでしょう。
また、認知症になると記憶障害が起きたり、感情がコントロールできなくなります。このことから、嗅覚と認知症との関連もうかがえますが、さらに、嗅覚は時間や空間の認知にも関係しているといわれています。
気になる嗅覚と認知症の関係
そこで、嗅覚の変化と認知症の関係について見てみましょう。
日本の認知症患者に最も多いアルツハイマー型認知症の症状は記憶障害から始まるといわれてきました。脳の中の記憶をつかさどる海馬という部位が萎縮することにより記憶障害が起きるのですが、それより前に、鼻の奥にある嗅神経(きゅうしんけい)の細胞がダメージを受けることがわかってきたのです。
嗅神経は鼻から吸い込んだにおいの粒子を電気信号に変えて脳に送る働きをしているため、嗅神経がダメージを受けると、においが感じられなくなります。このことから、においに鈍感になったら、アルツハイマー型認知症の初期症状が疑われるのです。最近では、においの認識により認知症を早期発見する検査方法などの開発も進められています。
アルツハイマー型認知症では、嗅神経の障害を起こしたあと徐々に記憶障害を起こすようになっていきます。しかし、早い段階で対策をすれば、嗅神経を回復させ、認知機能も改善させることも可能です。
日本の認知症患者に最も多いアルツハイマー型認知症の症状は記憶障害から始まるといわれてきました。脳の中の記憶をつかさどる海馬という部位が萎縮することにより記憶障害が起きるのですが、それより前に、鼻の奥にある嗅神経(きゅうしんけい)の細胞がダメージを受けることがわかってきたのです。
嗅神経は鼻から吸い込んだにおいの粒子を電気信号に変えて脳に送る働きをしているため、嗅神経がダメージを受けると、においが感じられなくなります。このことから、においに鈍感になったら、アルツハイマー型認知症の初期症状が疑われるのです。最近では、においの認識により認知症を早期発見する検査方法などの開発も進められています。
アルツハイマー型認知症では、嗅神経の障害を起こしたあと徐々に記憶障害を起こすようになっていきます。しかし、早い段階で対策をすれば、嗅神経を回復させ、認知機能も改善させることも可能です。
嗅覚をきたえて認知症予防
したがって、高齢になったら、自分でも、また周囲の家族としても、嗅覚の変化には早めに気づくようにしたいですが、嗅覚の衰えは意外とわかりづらいもの。においが強いとされるカレーやミントを嗅いで確認し、心配な場合は、耳鼻科に相談することをおすすめします。
嗅覚は、衰えても改善することができます。また、嗅覚をきたえることは認知症の予防になり、いずれも日常生活の中で行えます。それは、身の回りのにおいを、何のどのようなにおいか意識して嗅ぐようにするだけでいいのです。
例えば、散歩をしながら「バラの甘い、いい香り」、食事の時に「おいしい煮物のにおい」などと頭の中で言葉に表現しながら、においを感じるようにしましょう。また、アロマセラピーも、香りの刺激により認知機能を改善させることがわかっていますが、化学合成された香りは体の不調につながることがあるため、自然由来の精油を使う必要があります。
嗅覚の衰えが必ずしも認知症につながるとはいえませんが、においを感じる機能はいきいきと暮らしていくためには大切なものです。以上のように、嗅覚をきたえることは簡単なので、ふだんの生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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