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新型コロナウィルスに警鐘 SARSの経験から学ぶ高齢者の予防対策

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新型ウィルス 日本での感染拡大の可能性は?

2019年12月以降、中国武漢市で新型のコロナウイルスによる肺炎が多発しています。
短期間のうちに感染が中国国内にとどまらず急激に拡大し、ついにWHOが緊急事態宣言を発令しました。死亡率は2〜3%と伝えられていますが、心配な状況です。
今後、ウィルスの感染力が強まる恐れもあり、中国国内のみならず爆発的な感染拡大が懸念されています。

報道などによると、武漢市の市場で食用として売られていた動物が新型コロナウィルスの感染源と考えられ、最初は動物から市場の関係者であるヒトへ感染したとみられます。当初、疑われていたヒトからヒトへの感染の有無ですが、医療従事者などへの感染が確認されました。
日本国内でみつかった感染者も、動物からではなく、中国国内でこの肺炎を発症した患者と濃厚接触したことにより感染したといわれています。

また、この肺炎による死者の多くが高齢者であることもわかっています。冬はインフルエンザなどの感染症が流行しやすい季節ですが、心配のタネが増えたと思う人もいるかでしょう。不安を減らすためにも、新型肺炎にどう対策していけばいいのか考えます。

新型コロナウィルスとSARSの関連性

今回の新型肺炎についてのニュースから、2003年に同じ中国で発生したSARSの件を思い出した人も多いのではないでしょうか。
SARSは正式名称を「重症急性呼吸器症候群」といい、WHO(世界保健機関)の報告によると、香港を中心に37ヶ国で8000人以上が感染し、高齢者を中心におよそ800人が死亡したとされています。致死率が10%弱におよび、日本では、2003年11月以降、指定感染症に指定されています。

実は、このときSARSの感染を引き起こしたのもコロナウィルスの1種です。ヒトに感染するコロナウィルスは数種類あり、ヒトの間で広がる風邪のウィルスと動物から感染し重い肺炎を起こすウィルスに大別されます。2003年のSARSの原因となったのも、最初は動物からヒトへと感染したコロナウィルスの1つ、SARS-CoVと呼ばれるものでした。

今回、注目されているコロナウィルスは今までにまったく確認されたことのない種類とみられます。
そのため、新型コロナウィルスと呼ばれているのですが、この新型ウィルスの場合、感染しても症状が軽い人も確認されています。
また、症状がまったく出ない人もいる可能性もあります。以前のSARSと比べると、感染したときの症状の重症度は低いと考えられますが、ウィルスの悪性度の低さから2003年のSARS大流行よりも感染が広がる可能性も指摘されています。

一方で、これまでにこの肺炎により死亡した人について明らかになっていることをまとめると、大半が60歳以上の高齢者で、高血圧や糖尿病といった基礎疾患を持っていました。2003年のSARSと同様に死亡の事例は高齢者に集中しています。
つまり、高齢者が新型コロナウィルスに感染すると重症化しやすいことが推測され、なかでも持病のある人はハイリスク群といえるでしょう。

新型肺炎の症状は

さて、新型コロナウィルスに感染してしまったら、どのような症状があらわれるのでしょうか? これまでに、次のような症状が出ることがわかっています。

・感染の徴候としての例:発熱、せき、息切れ、呼吸困難、下痢、胃腸疾患
・重症者の例:肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)、腎不全

37.5度以上の発熱とせきなどの肺炎症状が特徴的とされています。
また、発症したからといって、これらの症状すべてが見られるわけではありません。死亡にいたった重症者の中には発熱をともなわない人もいました。
高齢者の場合、肺炎になってもあまり熱が出ないケースも多く、急速に悪化することもあります。

では、もし、以上のような症状に気づいた場合は、どうすればいいのでしょうか?
すみやかに医療機関で受診する必要がありますが、院内感染防止の理由から状況によっては受け付けの仕方を指定されることがあるので、事前に電話で連絡してから、マスクを着用し向かうようにしてください。もし、中国武漢市での滞在歴がある場合は、連絡の際に必ず申告しましょう。

新型コロナウィルス感染予防のポイント

いまのところ、新型コロナウィルスのワクチンや特効薬はありませんが、有効とされる予防方法があります。このウィルスは、主にせきやくしゃみの飛沫により感染すると考えられ、その予防方法はSARSやインフルエンザなどの感染症の対策と同じです。

新型コロナウイルスの基本再生産数、すなわち感染力は、今のところSARSよりは広がりにくい性質を持っていると考えられます。
ちなみに同じコロナウイルスであるSARSは1人発症すると2〜5人に感染します。基本的に濃厚接触と言われる状態で感染しますが、濃厚接触とは厚労省によると「明確な定義はありませんが、衣食住をともにする家族とか、仕事で席が近い同僚とかと長くいるというイメージ」とのこと。
家の中や職場でも予防が必要です。特に免疫機能が低下している高齢者がいるご家庭では、十分な注意が必要です。
また、新型コロナウィルスは最長12日とされるほど潜伏期間が長く、保菌者を特定するのがむずかしいため、次のような予防対策を徹底しましょう。

・流水と石けんによる手洗い:外出先から帰宅したとき、せきやくしゃみをした後など、徹底して行いましょう。
・せきやくしゃみのエチケットを守る:せきやくしゃみをするときはティッシュで覆うなど、飛沫が飛ぶのを防ぎましょう。マスクの着用も有効です。
・人混みを避ける:飛行機などで隣の座席に座る程度でも、感染の原因になる濃厚接触にあたります。不要不急の場合をのぞいて、高齢者は公共交通機関での長時間の移動や人で混雑した場所は避けた方が無難でしょう。
・もし、流行地域に行ったら:流行地域では、ペットを含め現地での動物との接触は避けましょう。

以上に加えて、抵抗力を落とさないように疲れをため込まず、バランスの良い食事を心がけることも大切です。
新型肺炎の感染の状況は今後も変わっていく可能性があります。随時、報道などで公的機関からの情報をチェックしながら、感染予防をしていきましょう。

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