高齢者が注意するべき冬の健康トラブルとは
高齢者問題
冬は健康トラブルが多い?
気温も湿度も低くなる冬場は、感染症を引き起こすウィルスが活性化しやすくなります。また、寒いと体温が下がることで体の抵抗力も低下します。そのため、冬は感染症が流行しやすいのですが、特に高齢者は、他の世代よりも抵抗力が弱くなっているため感染症にかかりやすく、いったん発症すると重症化や合併症を起こすことも少なくありません。
さらに、この他にも、寒さが原因で高齢者に起きやすい健康トラブルもあります。したがって、高齢者がこの時期を健康に過ごすには、いろいろと注意が必要です。
今回は、冬に高齢者に起こりやすい健康トラブルとその対策についてお伝えします。
さらに、この他にも、寒さが原因で高齢者に起きやすい健康トラブルもあります。したがって、高齢者がこの時期を健康に過ごすには、いろいろと注意が必要です。
今回は、冬に高齢者に起こりやすい健康トラブルとその対策についてお伝えします。
冬に多い感染症を知っておこう
冬に流行しやすい感染症には次のようなものがあります。多くは呼吸器と胃腸の病気に大別されます。
<呼吸器の感染症>
・インフルエンザ
最もよく耳にする感染症の一つだと思います。感染した人のせきやくしゃみの飛沫に含まれたインフルエンザウィルスを吸い込むこと(飛沫感染)や、患者の体やドアノブ、電車のつり革などについたウィルスに触れること(接触感染)によって感染します。感染し発症すると、突然の高熱、せき、喉の痛みや関節痛などがあらわれます。
予防については、外出後の「うがい・手洗い」に加えて、じゅうぶんな休養とバランスの良い食事で免疫力をつけることが大切です。高齢者の場合は、インフルエンザにかかると長引きやすく、重症化や合併症を起こす可能性が高くなります。感染そのものと感染した場合の重症化のリスクを抑えるためには、ワクチン接種が有効とされています。
・肺炎
インフルエンザの合併症として細菌性肺炎が起きることがあります。高齢者がインフルエンザにかかると合併症を起こしやすといわれているので、注意が必要です。肺炎の予防法はインフルエンザと同様ですが、65歳以上の方には、肺炎球菌ワクチンの接種をおすすめします。インフルエンザワクチンと併用することで予防の効果が高められます。
<胃腸の感染症>
感染性の胃腸炎は、ウィルスや細菌、寄生虫など、さまざまな病原体により引き起こされますが、冬に流行する感染性胃腸炎の多くは、ノロウィルスやロタウィルスによるものと考えられています。いずれも患者の嘔吐物や便を介して感染し、発症すると、嘔吐や下痢、高熱などの症状があらわれます。高齢者の場合は、吐瀉物による誤嚥に注意が必要です。
ロタウィルスには、予防接種ワクチンがありますが、ノロウィルスにはありません。流水と石けんでの手洗いが予防の基本です。また、感染力が非常に強いので、患者の吐瀉物などを処理するときは、使い捨ての手袋やマスク、エプロンを着用し、処理後は流水と石けんでよく手を洗い、吐瀉物などが付着した場所は塩素系漂白剤で消毒します。
<「脱水症」にも注意を>
感染症とあわせて注意したいのが「脱水症」です。脱水症は熱中症の前段階としても知られていますが、この病気が起きるのは夏だけではありません。冬場でも、特に上記のような感染症にかかったときに、脱水症になることがあります。
インフルエンザによる高熱で大量に発汗したり、感染性胃腸炎による嘔吐や下痢をくり返したりすると、体内の水分が大幅に失われます。こうしたときに、適切に水分補給ができていないと脱水症になってしまいます。感染症などで、37度以上の発熱があり、嘔吐や下痢をくり返すといった症状があるときは、早めに水や経口補水液を飲むようにしましょう。嘔吐・下痢が激しい場合は、症状が落ち着いたら、少しずつ摂取するようにします。寒い時期に冷たい飲み物は体を冷やす恐れがあるので、白湯にするか、経口補水液を少し温めるのもいいでしょう。
<呼吸器の感染症>
・インフルエンザ
最もよく耳にする感染症の一つだと思います。感染した人のせきやくしゃみの飛沫に含まれたインフルエンザウィルスを吸い込むこと(飛沫感染)や、患者の体やドアノブ、電車のつり革などについたウィルスに触れること(接触感染)によって感染します。感染し発症すると、突然の高熱、せき、喉の痛みや関節痛などがあらわれます。
予防については、外出後の「うがい・手洗い」に加えて、じゅうぶんな休養とバランスの良い食事で免疫力をつけることが大切です。高齢者の場合は、インフルエンザにかかると長引きやすく、重症化や合併症を起こす可能性が高くなります。感染そのものと感染した場合の重症化のリスクを抑えるためには、ワクチン接種が有効とされています。
・肺炎
インフルエンザの合併症として細菌性肺炎が起きることがあります。高齢者がインフルエンザにかかると合併症を起こしやすといわれているので、注意が必要です。肺炎の予防法はインフルエンザと同様ですが、65歳以上の方には、肺炎球菌ワクチンの接種をおすすめします。インフルエンザワクチンと併用することで予防の効果が高められます。
<胃腸の感染症>
感染性の胃腸炎は、ウィルスや細菌、寄生虫など、さまざまな病原体により引き起こされますが、冬に流行する感染性胃腸炎の多くは、ノロウィルスやロタウィルスによるものと考えられています。いずれも患者の嘔吐物や便を介して感染し、発症すると、嘔吐や下痢、高熱などの症状があらわれます。高齢者の場合は、吐瀉物による誤嚥に注意が必要です。
ロタウィルスには、予防接種ワクチンがありますが、ノロウィルスにはありません。流水と石けんでの手洗いが予防の基本です。また、感染力が非常に強いので、患者の吐瀉物などを処理するときは、使い捨ての手袋やマスク、エプロンを着用し、処理後は流水と石けんでよく手を洗い、吐瀉物などが付着した場所は塩素系漂白剤で消毒します。
<「脱水症」にも注意を>
感染症とあわせて注意したいのが「脱水症」です。脱水症は熱中症の前段階としても知られていますが、この病気が起きるのは夏だけではありません。冬場でも、特に上記のような感染症にかかったときに、脱水症になることがあります。
インフルエンザによる高熱で大量に発汗したり、感染性胃腸炎による嘔吐や下痢をくり返したりすると、体内の水分が大幅に失われます。こうしたときに、適切に水分補給ができていないと脱水症になってしまいます。感染症などで、37度以上の発熱があり、嘔吐や下痢をくり返すといった症状があるときは、早めに水や経口補水液を飲むようにしましょう。嘔吐・下痢が激しい場合は、症状が落ち着いたら、少しずつ摂取するようにします。寒い時期に冷たい飲み物は体を冷やす恐れがあるので、白湯にするか、経口補水液を少し温めるのもいいでしょう。
寒い季節には、こんなトラブルも
この他にも、冬場にはこんな健康トラブルに気をつけましょう。
<ヒートショック>
ヒートショックとは、急激な寒暖差により脈拍や血圧が急変することで、心筋梗塞や脳出血などの重大な病気につながる恐れがあります。高血圧や動脈硬化を患っている人ほどリスクが高く、高齢者の室内での死因の4分の1がヒートショックによるものといわれています。
ヒートショックは予防につとめることが何よりです。家の中で起こることがほとんどで、特に起きやすいのが暖房の効いた部屋から寒い浴室やトイレに移動したときです。入浴前に脱衣室や浴室を暖めておく、トイレに安全な暖房器具を置くなど、家の中の寒暖差をなくす工夫をしましょう。
<低温やけど>
それほど高くない温度の熱源に長い時間接触することで起きるやけどのことです。高齢者は皮膚の感覚がにぶくなっているため、低温やけどになりやすいといわれます。低温やけどは熱さに気づかず進行することが多いため、未然に防ぐことが重要です。暖房器具やグッズは取扱説明書をよく読み、使い捨てカイロや湯たんぽなどを直接肌にあてたり、体の同じ部位を長時間暖めないようにしましょう。
<転倒>
高齢者が転倒すると、骨折しやすく、そのまま寝たきりになることもあります。路面に積雪や凍結があると、転倒しやすくなります。雪の日や、冷え込みの厳しい日は、外出を控えるか、出かける場合は周囲の状況をよく確認して移動することが大切です。
高齢になると、ちょっとした健康トラブルが長引いたり、重症化しやすいものです。以上のポイントに気をつけて、冬を元気に乗り切ってください。
▼ヒートショックや転倒は交通事故より怖い?リフォームと高齢者安否確認
▼マイナンバーカードと保険証が合体 高齢者にとっての利便性は?
▼新型コロナウィルスに警鐘 SARSの経験から学ぶ高齢者の予防対策
▼インフルエンザによる死亡者の多くが高齢者ってホント?
▼高齢者と暖房器具 高齢者見守りで気になるヒートショック対策
▼暖房に注意して高齢者の一人暮らしを安全に
▼高齢者が注意するべき冬の健康トラブルとは
▼インフルエンザによる死亡者の多くが高齢者ってホント?
▼ヒートショックにご用心! 高齢者の安全な住まいは浴室がポイント?
▼福岡市と共同実証|単身高齢者あんしん見守り事業
▼室温と湿度 高齢者一人暮らしの大敵を考える
▼高齢者安否確認、自治体の取り組み
<ヒートショック>
ヒートショックとは、急激な寒暖差により脈拍や血圧が急変することで、心筋梗塞や脳出血などの重大な病気につながる恐れがあります。高血圧や動脈硬化を患っている人ほどリスクが高く、高齢者の室内での死因の4分の1がヒートショックによるものといわれています。
ヒートショックは予防につとめることが何よりです。家の中で起こることがほとんどで、特に起きやすいのが暖房の効いた部屋から寒い浴室やトイレに移動したときです。入浴前に脱衣室や浴室を暖めておく、トイレに安全な暖房器具を置くなど、家の中の寒暖差をなくす工夫をしましょう。
<低温やけど>
それほど高くない温度の熱源に長い時間接触することで起きるやけどのことです。高齢者は皮膚の感覚がにぶくなっているため、低温やけどになりやすいといわれます。低温やけどは熱さに気づかず進行することが多いため、未然に防ぐことが重要です。暖房器具やグッズは取扱説明書をよく読み、使い捨てカイロや湯たんぽなどを直接肌にあてたり、体の同じ部位を長時間暖めないようにしましょう。
<転倒>
高齢者が転倒すると、骨折しやすく、そのまま寝たきりになることもあります。路面に積雪や凍結があると、転倒しやすくなります。雪の日や、冷え込みの厳しい日は、外出を控えるか、出かける場合は周囲の状況をよく確認して移動することが大切です。
高齢になると、ちょっとした健康トラブルが長引いたり、重症化しやすいものです。以上のポイントに気をつけて、冬を元気に乗り切ってください。
▼ヒートショックや転倒は交通事故より怖い?リフォームと高齢者安否確認
▼マイナンバーカードと保険証が合体 高齢者にとっての利便性は?
▼新型コロナウィルスに警鐘 SARSの経験から学ぶ高齢者の予防対策
▼インフルエンザによる死亡者の多くが高齢者ってホント?
▼高齢者と暖房器具 高齢者見守りで気になるヒートショック対策
▼暖房に注意して高齢者の一人暮らしを安全に
▼高齢者が注意するべき冬の健康トラブルとは
▼インフルエンザによる死亡者の多くが高齢者ってホント?
▼ヒートショックにご用心! 高齢者の安全な住まいは浴室がポイント?
▼福岡市と共同実証|単身高齢者あんしん見守り事業
▼室温と湿度 高齢者一人暮らしの大敵を考える
▼高齢者安否確認、自治体の取り組み
高齢者問題のおすすめ記事
-
地域包括ケアシステムとは? 終の棲家で高齢者が安心して暮らすための5つの構成要素
-
2025年問題とは? 超高齢社会で現実化する老老介護・認認介護への対策は?
-
スマートホームから見守りロボットまで 高齢者の味方になる最新テクノロジーとは
-
暖房設定温度の注意点 エアコンのカビにも気をつけて、高齢者が健康的に過ごせる室内環境づくり
-
自律神経の乱れが原因? 高齢者の秋バテとその対策に有効な食生活とは
-
特殊詐欺が災害に便乗! 災害関連の悪質商法とは 地震・台風の後はご用心!
-
歯周病が認知症を悪化させる? 歯周病予防と治療のポイント
-
高齢者の熱中症対策は自律神経を整えることが大事 室温にも気をつけて
-
認知症になれば必ず見当識障害が起きる? せん妄との違いと対応の仕方
-
高齢者の一人暮らし 孤立させないための生きがいづくり「キョウイク」「キョウヨウ」とは