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大雨特別警報に備えて 高齢者一人暮らしに求められる対策

安否確認

大雨特別警報とは? 避難するべき状態?

大型台風や大雨が続き、全国各地で被害が多発しています。
これまであまり耳にしなかった「大雨特別警報」という言葉が災害時の報道などで使われるようになっています。「特別警報」が気象庁により運用されるようになったのは、平成25(2013)年からです。
従来、気象庁は、大雨や地震、津波などによって重大な災害が起こる可能性がある場合に、国民に向け警戒を呼びかけるために警報を発表しています。
さらに特別警報は、この警報を発表する基準を大きく上回る大雨や大津波などによって甚大な災害の発生の可能性が非常に高い場合、最高レベルの警戒を呼びかけるために発表されるものです。

大雨特別警報の災害の具体的なレベルとしては、約100名の死者・行方不明者という深刻な被害を紀伊半島におよぼした「平成23(2011)年台風12号」が匹敵します。
特別警報が発表された地域には、数十年に一度、あるいは今までの記録を超えるような、重大な危機に瀕した状態であるといえます。
そのため、自分の住む地域に特別警報が発表された場合は、ただちに生命を守るために適切に行動する必要があります。

警戒レベルと避難情報の関係を知っておこう

このように気象の特別警報とは、非常に危険性の高い状況にあることを示し、警戒をうながすものですが、大雨特別警報の場合は、すでに何らかの災害が発生している恐れが非常に高い状況とされています。
つまり、この状況で命を守るためには、安全な所に避難していなければなりません。大雨特別警報が出てから避難したのでは間に合わず、却って危険です。

大雨による災害には浸水と土砂災害がありますが、こうした災害に巻き込まれないようにするには、どのタイミングで避難をすればいいのでしょうか? また、避難といっても、機敏に動きづらい高齢者の場合は、どうすればいいのでしょうか?
そこで、避難の目安となるのが、内閣府や消防庁による「避難勧告等に関するガイドライン」で示された「警戒レベル」です。

この警戒レベルは、緊急度に応じて5段階にレベル分けされ、数字が大きいほど危険性が高く、これを元に市町村が避難情報などを発令します。各警戒レベルに応じて住民がどう行動するべきか、また気象情報などとの関連を表にまとめると、次のようになります。

警戒レベルは、つねに1から5の順で出されるわけではありません。
災害の状況によっては、事態が急変することがあります。また、避難などを促す情報は市町村から、防災気象情報は気象庁から出されますが、同じレベルの情報が同時に出るとは限りません。
避難指示は、避難勧告のあとに地域の緊急性に応じて、重ねて避難を呼びかけるために発令されますが、こちらも必ず発令されるわけではありません。
避難勧告があれば、避難指示(緊急)を待たずに速やかに避難するべきです。

防災情報を入手しやすくしておく

上の表を見れば、高齢者は「警戒レベル3」の段階で避難するべきであることがわかります。
これは気象の状況でいえば、洪水警報や大雨警報が出ている段階ですが、地域の状況によっては避難しない方がいい場合もあります。そうした状況のもと、高齢者が適切に行動して身を守るには、地元の災害と避難についての最新情報をチェックする必要があります。

一人暮らしの場合、情報収集は自分で行うしかありません。
近年は役所などがインターネットやメールなどでも防災情報を提供していますが、自分にとって使いやすい情報機器と情報の入手方法を確認しておきましょう。
停電になるケースも考え、携帯電話やスマホの電池式充電器、電池式のラジオと予備の電池を備えておくことをおすすめします。

日ごろからの備えと家族との情報共有が大事

防災には日ごろからの備えも欠かせません。例えば、避難所に避難する場合、飲食物や常備薬、貴重品に加え、衛生用品、日用品、衣類など、非常持ち出し品を持って行くことになりますが、災害が起きてから荷物をまとめていては間に合わないかもしれません。また、重い荷物を持ってスムーズに避難所にたどり着くのは、高齢者にとっては大変なことです。そのため、持ち出し品は重くなりすぎない範囲で必要なものを決めて準備しておきましょう。
さらに、自宅から避難所までの経路を実際に歩いて所要時間などを確認しておくことも大切です。

高齢者一人暮らしの世帯は、平常時のうちに避難支援を求められるか確認しておきましょう。隣近所の人に声をかけておくことも考えられますが、「要援護者登録制度」を利用する方法もあります。これは、災害時にサポートが必要な人をあらかじめ市区町村に登録し、必要なときに避難を支援するシステムです。利用のための詳細な条件や名称は自治体により異なる場合がありますが、多くの自治体が高齢者一人暮らしと高齢者だけの世帯を対象としているので、役所の防災課などに相談してみてください。

これも大事なことですが、こうした情報は離れて暮らす家族と共有しておきましょう。災害があったときにどこの避難所に行くことにしているのか、誰にサポートを依頼しているのか、前もってわかっていれば、離れていても迅速な安否確認につながります。    

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