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認知症初期症状を追う。目や耳の病気があると認知症になりやすい?

認知症見守り

認知症の原因と予防の意外なポイント「目と耳」

高齢化にともない認知症を患う人が増加し続けており社会問題になっています。高齢の方の介護をする場合、認知症があるかないかで介護の負担も大きく変わってきます。そのようなことから、認知症の予防について意識している人は多いのではないでしょうか。

認知症の予防法といえば、脳トレやバランスのよい食事、ほどよい運動などが知られていますが、最近、目や耳が良くないと認知症になりやすいことがわかってきました。年を取れば誰でも目が見えにくくなって当たり前、また耳が聞こえにくいのも年のせいだから、と思いがちです。

しかし、目と耳は脳につながるとても重要な感覚器官。単なる老化だからと何も対処せずにそのままにしておくと、脳の働きが低下して認知症を発症しやすくなります。つまり、目や耳を健康に保つことも認知症の予防になるのです。
そこで今回は、目や耳と認知症の関係について解説します。

目の病気があると認知症になりやすい?

年を取ると誰でも老眼になりますし、白内障になる人も多いものです。65歳以上の人を対象にしたある調査によると、視力の良い人はそうでない人に比べ、認知機能が高く保たれていることがわかりました。加えて、視力の悪い人は、認知症の発症リスクが視力の良い人の2倍になることもわかっています。

認知機能とは、視覚や聴覚などの五感を通して得た情報から、状況を認識する・言葉を使う・計算する・記憶や学習する・問題を解決する、といった脳の働きのことです。この認知機能が低下すると認知症の状態になるのですが、ではなぜ目が悪くなると認知機能も低下するのでしょうか。

人間は目から多くの情報を得ていますが、外部から脳に入ってくる情報のうち実に80%以上が目を通して送られています。したがって、目がよく見えていないと、必然的に脳に入ってくる情報も少なくなります。視力が良くない状態を放置しておくと、脳を使う機会が減っていき自然と認知機能が低下していくのです。

また、目がよく見えていないと移動に支障が出ます。そのため、何かにつまずき転倒したことで寝込んだり、外出するのがおっくうになって引きこもりがちになったりします。日常的にこのような状況になると、認知症を発症しやすくなります。

加齢性の難聴にも注意が必要

高齢になると視力とともに衰えるのが聴覚で、65歳以上の約45%の人が難聴といわれています。
いまでは、聴力と認知機能の関係についても研究が進んでおり、耳が聞こえづらいことも脳の働きに影響することがわかっています。厚労省によると、難聴も認知症のリスク要因の1つとなっていますが、それはどうしてでしょうか。

人間にとって、耳を通して入ってくる情報の多くは言語情報です。脳に入ってきた言葉の情報は音としての刺激だけではありません。言葉の意味や内容についてどう答えるかを考えたり、喜怒哀楽の感情を持ったりすることで脳が働き、認知機能が保たれているのです。聴力が衰えると脳に送られる情報が減り、おのずと認知機能が低下していきます。

また、よく聞こえないことで家族や友人との会話が減って孤立したり、話しかけられても気づかないといったことから人間関係のトラブルにつながることもあります。こんな状況も認知症の発症リスクを高めます。

認知症初期症状と間違えることもある?

以上のことから、目や耳の衰えと認知症の関係の重要性をおわかりいただけたかと思います。これに加えて、高齢者の目や耳の病気が認知症の初期症状とよく似ているケースがあるのをご存知でしょうか。

例えば、高齢の親御さんが外出をしたがらず、家に引きこもりがちになったため、認知症ではないかと疑った家族が病院に連れて行ったところ、認知症ではなく視力が悪くなっていることがわかったという話があります。また、難聴の場合も、話しかけても反応しない、何度も同じことを聞くといったことが多くありますが、この状況も認知症の初期症状に似ています。

いずれも、このような症状があれば早めに受診して原因を特定し、適切な治療や対応をすることが大切です。万一認知症を発症していた場合、早期に発見し受診すれば症状の改善や進行を遅らせることも可能です。

認知症ではなく目の病気であることがわかれば、状態に合わせた治療や手術で視力を改善させることができますし、難聴であれば、多くの場合、補聴器などで聴力を補えます。視力や聴力が回復すれば認知機能の回復も望めますが、いったん認知症を発症してしまえば、その後に目・耳の治療をしても低下した認知機能が戻ることはほとんど望めません。

認知症初期症状も含めた見守りを

したがって、認知症初期症状も含め目や耳の病気を疑うような異変があれば早めの受診につなげたいものですが、そのためには次のような行動の変化がないか、日ごろからの見守りが欠かせません。

・外出したがらず、引きこもりがちになった
・動きがぎこちなくよくつまずく、物にぶつかる
・会話や人づきあいが減った
・呼びかけに反応しないことがある
・同じことを何度も言う(聞く)

とはいえ、高齢の家族と離れて暮らしている場合は、こうした変化を早めに知るのはむずかしいもの。
そこでおすすめしたいのが、ITによる安否確認システム「いまイルモ」です。「いまイルモ」は多機能センサーが高齢者を見守り、見守る側の家族はその様子をパソコンやスマホなどで随時確認できます。例えば、人感センサーにより人の動きや外出・来客の頻度などが把握でき、日常の行動状況の変化などから認知症の初期症状に気づくことも可能になります。

認知症もそうですが、目や耳の病気は生活の質に大きく影響します。高齢者の健やかな暮らしのために、安否確認を含め今回の記事内容を参考にしていただければと思います。

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