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80歳の高齢者も活躍、葉っぱビジネスに見た 安否確認と見守りシステムの新しいカタチ

安否確認

高齢でも元気で安心して暮らすために

年をとっても、いつまでも元気でいきいきと暮らすためには「生きがい」や「やりがい」が大切だとよくいわれます。超高齢社会となった今、仕事やボランティア活動などを生きがいに、いきいきとした毎日を送っている高齢者の方は少なくありません。80歳、90歳を過ぎても、そうありたいものです。

一方、単身あるいは夫婦だけで暮らす高齢世帯が増えています。元気で自立していても、高齢者だけの暮らしには急な体調変化や事故などへの不安があります。そんな緊急事には離れて暮らす家族や周囲が素早く対応できるよう、見守りや安否確認の方法を確立しておけば安心ですね。

こうしたことから、高齢者世帯が元気に安心して暮らしていくためには、「生きがい」と「安否確認」が基本といえるのではないでしょうか。

この「生きがい」と「安否確認」を両輪として、元気な高齢者が暮らす町づくりを実現したソーシャルビジネスの事例があります。それは過疎化と高齢化が進む徳島県の上勝町にある株式会社いろどりのケースです。

葉っぱビジネスが生きがいに

農林業を主産業とする上勝町では、1980年代、異常気象により農業の主要作物であるミカンが大打撃を受けました。これを乗り越えるために、町の人口の半数を占める高齢者でも扱いやすい新しい農産物として、町や農協が目をつけたのが「つまもの」です。つまものとは、料亭やホテルなどの高級な料理の飾りや彩りとして使われる季節の木の葉や花、山菜などのこと。

栽培した葉っぱや花を集めて、選別、パック詰めし、出荷するといった作業は女性やお年寄りでも大きな負担なく行えます。この一連の業務を行うことを目的に、1986年、株式会社いろどりが設立されたのです。高齢者を中心とする200軒近くの農家がこの事業に参加し、2009年には年商2億6千万円を稼ぎ出しました。いまや、上勝町のつまものは町の主力産業となり、全国シェア8割を占め、主体者であるお年寄りたちの大きな生きがいとなっています。高齢者が仕事へのモチベーションを持つことにより、健康に暮らすことができ、2014年には寝たきりの高齢者ゼロという、町にとっては売り上げ以上の経済効果となっています。

株式会社いろどりの葉っぱビジネスは、ソーシャルビジネスの成功事例として、全国的に知られるようになりました。その成功の秘訣は、高齢者でも扱いやすい葉っぱを商品にしたことですが、最初から葉っぱがすぐに商品になったわけではありません。市場で流通させるために選別やパック詰めの方法などを研究し、競争力のある商材にまで高めたのです。

ITが高齢者のビジネスと生活を支える

これに加えて、葉っぱビジネスの事業を支え成功に導いた要因に、いち早くITを導入したことがあります。株式会社いろどりでは、当初からPOS(販売時点管理)を導入し、商品の出荷情報の管理や市場の分析などに利用しています。また、高齢者でも使いやすくカスタマイズしたパソコンやタブレットを農家に設置し、需給バランスなどの市場の情報や各農家の出荷数量、売り上げを配信しています。

これにより、出荷する農家の方では、市場の状況を分析し今後の出荷量を調整したり、自分の売り上げ順位を確認したり、とパソコンやタブレットを使いこなしているのです。そんな方法で、なかには月に50万円以上を稼ぐ80歳代のおばあちゃんもいます。

ITの導入は、高齢者自身が効率良く農業運営ができる、自身の売り上げを確認することで励みになるといったメリットを生んでいますが、それだけではありません。安否確認にもなっているのです。例えば、最近売り上げが落ちている人があれば、会社の方から電話で健康状態を確認するなどしています。

町に点在する農家をITでつなぐことは、ビジネス上の必然性があったとはいえ、心強い見守りシステムになっています。株式会社いろどりの設立はおよそ30年前ですが、ITを使った高齢者の見守りシステムの原点といえます。

ITを使った新しい見守りシステム

ITといえば、いまではスマートフォンやタブレットが広く普及し、離れて住む高齢の家族とメールやSNSを安否確認に活用している方も少なくないようです。しかしながら、高齢者といってもいろいろな方がいます。葉っぱビジネスのお年寄りたちのようにスマホやパソコンを使いこなせる人の方が少ないですし、多くの人が情報機器の操作に不慣れです。また、要介護ながら一人暮らしをしている人もいるでしょう。

今では、見守られる方の操作スキルに関係なく、スマホを使ってさまざまな状態の高齢者の安否確認ができる製品があります。その製品とは、人感センサーを組み込んだ「いまイルモ」です。

「いまイルモ」は小型で手軽に設置でき、カメラのような存在感なしにさりげなく高齢者の動きと同時に温度や湿度、照度もモニタリングします。これらのモニタリングデータは離れて暮らす家族など見守る方のスマホやパソコンに伝送されます。24時間の生活パターンを知ることができるので、同居しているかのような見守りが可能です。

今後は、使いやすく便利に日々進化するIT技術が高齢者の見守りを支えていくといえますね。

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