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介護ロボットのやさしいカタチ 疑似同居という新しい選択

高齢者問題

介護ロボットは力仕事に限らない 見守りロボットの果たす役割

超高齢社会となった日本では、介護を必要とする高齢者が増加の一途をたどっています。これにともない社会問題となっているのが、施設・在宅を問わず介護をになう人の不足や負担の増加です。その一方で、日本は世界でもトップクラスの技術を持つ「ロボット先進国」。高齢者介護分野へのロボット技術の導入が広がりつつあります。

介護でのロボット活用といえば、介護する人の肉体的な負担を軽減するパワードスーツや介護される本人の歩行などをアシストする装置などを思い浮かべることが多いかもしれません。これらは、介護にともなう力仕事をラクにしてくれるものですが、介護ロボットはこうしたパワー系だけではありません。

介護される人とコミュニケーションをとったり、無事に過ごせるよう安否確認をするタイプのロボットも開発されています。このようなロボットは誰かに代わって、高齢者の話し相手になる、見守りをするといったことで、介護する側の負担を減らしてくれます。

介護ロボット業界から熱い視線 センサーとロボットの融合

以上のように介護ロボットと一言にいっても、さまざまなタイプの製品があることがわかりますが、いま、特に注目されているのが、見守りセンサーのシステムとロボットの技術を融合させた見守り支援ロボットです。

ここで、まず見守りセンサーについて少し説明しましょう。そもそもセンサーとは、対象となるものを検知や監視(モニタリング)する装置のことです。例えば、「いまイルモ」という見守りシステムの本体センサーには、明るさ、温度、湿度といった室内環境と人の動きをモニタリングする働きがあります。

この本体センサーを見守り対象者の居宅や居室に設置することで、見守る側や介護する側は、インターネットなどを通して、センサーによるモニタリングデータを離れた場所からパソコンやスマートフォンで、いつでもリアルタイムに確認することができます。これが、センサーによる見守りシステムの仕組みですが、高齢者施設などでのスタッフの負担軽減になる、離れて暮らす家族が一人暮らしの高齢者を見守ることができるといったことから、すでに施設や家庭での導入が進んでいます。

離れて暮らしていても、いつでも近くにいるように安否確認ができることが見守りセンサーのメリットですが、ロボットと融合させることで、このメリットがさらに大きくなっています。センサーによる見守りでは、見守る側が、いわば一方的にモニタリングデータを確認しますが、ロボットと結びつけることにより、見守る側または見守られる側に対し、状況に合わせた声がけができるようになりました。それが、「いまイルモ PaPeRo i」です。

擬似同居というスタイル 生活行動をモニタリングする方法とは

「いまイルモ PaPeRo i」は、「いまイルモ」とコミュニケーションロボット「PaPeRo i」を融合させることで、声がけによる通知ができる見守り支援ロボットです。ロボットの「PaPeRo i」は、見守る側・見守られる側のどちらか、もしくは双方に置くことが可能です。また、「いまイルモ」のセンサーは主要な居室に加え玄関やトイレなどに増設することもできます。

例えば、「PaPeRo i」を見守る側・見守られる側双方に置いた場合、見守られる側の居住環境や生活行動をセンサーがモニタリングし、「玄関ドアが開きました」、「◯時間以上トイレの利用がありません」といったように、「PaPeRo i」が音声で見守る側に伝えます。さらに、設定により、「部屋が暑いのでクーラーをつけましょう」、「お薬の時間ですよ」など、見守られる側への声がけもします。この音声メッセージはいろいろな設定ができるので、見守られる人の健康状態や性格に配慮したセリフを考えることができます。

これなら、離れて暮らしていても、まるで同居しているように見守りができます。疑似同居といっていいかもしれません。

熱中症対策、徘徊、体調変化… ロボットの目と声が大活躍

高齢者には持病のある人が多く、本人・家族ともに体調の変化には気をつけたいものです。日ごろは元気な人でも、高齢になると急な体調変化が起こる可能性が高くなります。特に暑い季節になると、高齢者は本人も気がつかないうちに熱中症になりやすいといわれています。

こうした体調変化には、周囲の人がなるべく早めに気づき対応することが必要ですが、一人暮らしや一人でいる時間が長い高齢者のケースでは、「いまイルモ PaPeRo i」が役に立ちます。

例えば、家にいるのに何時間も動きがないようなケースでは急な体調変化が疑われます。そんなときに備えて、人感センサーが一定の時間を超えて動きを検出しない場合は、見守る側に通知するよう設定しておけば安心です。

また、温度センサーにより室温が◯度以上になったら、見守られる側に声でクーラーをつけることをうながすよう設定すれば熱中症対策になります。センサーを玄関に設置することで、認知症による徘徊対策をすることも可能です。

さらに、センサーによるモニタリングデータの履歴は生活グラフの形で最長1年間保存されます。「見える化」された見守り対象者の生活リズムが把握できるので、体調の変化や異常に気づくことも。離れて暮らしていても、いつでも寄りそうように家族のことを気づかえます。

つねにセンサーと声で見守りをしてくれる、頼りになるやさしい介護ロボット「いまイルモ PaPeRo i」は「介護ロボット ONLINE」でも取り上げられています。こちらもぜひ、ご一読ください。

https://kaigorobot-online.com/contents/22

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