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心不全の前兆とは? 高齢者の突然死を引き起こす、心不全の初期症状を見逃すな

高齢者一人暮らし

心不全患者の爆発的な増加、その背景は?

超高齢社会が続くわが国では、高齢者人口に比例して心不全の患者数も増加し続けています。心不全はあらゆる心臓の病気や高血圧などが進んだ最終的な状態で、突然死の原因の多くを占めるものです。年齢が上がるにつれ、誰でも加齢とともに心臓の機能は衰えていきます。そのため、高齢社会では心不全の患者数が多くなるのは必然ですし、高齢者にとっては、もっとも注意するべき健康トラブルのひとつです。
団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、心不全パンデミックが到来するとの予測もあります。パンデミックとは本来「感染爆発」を意味する言葉で、心不全は感染症ではありませんが、あと数年のうちに爆発的に高齢の心不全患者が急増すると危惧されているのです。実際に心不全パンデミックが起きれば、急性心不全を起こしても急性期の病床が足りずに入院できなくなる可能性もあり、国全体で医療への負担は深刻なものになると考えられます。
そうしないためには、心臓病にならないようにする、心不全につながる病気がある人は適切にケアをするなどして、心不全を予防していくことが何よりも重要です。そこで、心不全の予兆ともいえる初期症状にはどんなものがあるのか理解を深め、予防に役立つ情報をお伝えします。

生命を縮める病気、心不全とは

心不全とは、そもそもどのような病気(状態)でしょうか? 日本循環器学会ではこのように定義しています。

<心不全の定義>
『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。』(引用:日本循環器学会ホームページ)

高齢になると心臓にトラブルを抱える可能性が高くなりますが、その原因として次のような病気が考えられます。
・心筋症:心臓の筋肉そのものの病気
・心筋梗塞:心臓に栄養や酸素を送る血管が閉塞する病気
・弁膜症:心臓の中で血流を正常に保つための弁が閉まらなくなる、狭くなるなどする病気
・不整脈:心拍のリズムが乱れる病気
・先天性心疾患(生まれつきの心臓病)
・高血圧
・糖尿病

こうした病気が進行し、最終的に行きつく先が心不全だといわれています。また、心不全は症状の起こり方などにより、急性と慢性のものに分けられます。とつぜん症状が出る急性心不全は、急性心筋梗塞の発症にともない起きることも多く、急激な呼吸困難、ショック状態におちいるなど激しい症状をともない、死亡する可能性も高いものです。慢性心不全は心臓の機能が少しずつ悪化していくため、初期にはあまり自覚症状もなく、気づかないことも少なくありません。
急性心不全のほとんどは、慢性期の状態から急激に悪化し発症します。急性心不全を起こし入院した人のうち、22%が1年以内に亡くなっているという報告もあります。病気に気がつきにくい慢性期は「かくれ心不全」とも呼ばれ、その間には症状もなく進行することを考えると、まさに「生命を縮める病気」といえるでしょう。

心不全の初期症状を見逃さないために

このように心不全は怖い病気ですが、予防が可能です。心不全を予防するには、上記のような病気がある人は適切に治療を受けることが欠かせません。また、心臓病や高血圧などの自覚がない人も心不全の前兆を見逃さずに早期の治療につなげることが大切です。そこで、心不全の初期症状にはどのようなものがあるか知っておきましょう。
心不全の初期には、むくみ・体重の増加、息切れ、だるさ・倦怠感が多くみられますが、これらの症状は心臓の機能が低下し、心臓から血液をじゅうぶんに送り出せなくなるために起こるものです。その各症状について、メカニズムを含め、少し詳しくみていきましょう。

<むくみ(浮腫)、体重の増加>
腎臓へ送られる血液の量が少なくなり、尿の量が減って体内に水分が溜まるために起こります。脚の前面や足の甲を指で押すとへこみができるようなむくみや1週間ほどで2kg以上体重が増えるようなことがあれば要注意です。

<息切れ、夜間の呼吸困難・せき>
体の中で血液が渋滞(うっ血)し、肺への負担となり、肺に水が溜まって息切れが起きます。ちょっとした動作や階段の登り降りで息切れすることがあれば、年齢のせいとは限りません。また、うっ血が進むと、夜間に呼吸困難やせきの症状があらわれることがあります。その場合、横になると呼吸が苦しかったり、せきが出ますが、上半身を起こすと少し楽になるのが特徴的で、起座(きざ)呼吸と呼ばれます。

<だるさ・倦怠感>
体のいろんな器官にじゅうぶん血液が届かなくなり、だるさを感じたり、疲れやすくなります。

この他に、頸静脈怒張(けいじょうみゃくどちょう)と呼ばれる首の静脈の腫れ、動悸、食欲不振なども心不全の初期にみられることがあります。

以上のような症状に気づいたら、1週間続けて毎日体重を測り、2kg以上増加していれば、すみやかにかかりつけ医や循環器内科などに相談するようにしましょう。ただ、これもあくまでも目安です。仮に体重増加の傾向が見られなかったとしても、可能であれば早めに医師のアドバイスを受けた方が良いでしょう。こちらのチェックシートであてはまる項目が2つ以上ある人も受診をおすすめします。
→「心臓のSOSかんたんチェック

息切れ、動悸は年齢のせいだけじゃない

高齢者の場合、息切れや動悸があっても、年齢によるものと見過ごしてしまうこともあるかと思われます。今までは問題なくできていた動作ですぐに息が切れる、疲れやすくなったということがあれば、それは心不全の前兆かもしれません。高齢者本人だけでなく、周囲の人たちが、ちょっとした変化に気づき受診につながれば、重篤な事態を避けることができます。心不全の知識を持ち、心不全への不安を減らしていきましょう。


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